クレーム・ミスにありがとう
木村れい
第1話 クレーム・ミスは宝物
「クレームにはありがとう」
「ミスにもありがとう」
僕は、長くいくつかの会社に20年程、勤めていたけど病気や挫折を味わい彷徨い考えながら、ある時、この大きな2つにはっきり気づいた。
なんで早く気付けなかったんだろう。たぶん、会社内にいる時には、なかなか客観的に自分を見れなかったからだ。これは、いわゆる仕事論的な発想ではなく、わたしが優しさの詩集にあるような「優しさ」に拘り、哲学にあるような「優しさを返す営み」に一貫した、やはり、人への優しさを想うゆえだ。
クレーム、ミスは両方ともに似た部分があり、「有益な宝物」みたいなものだと思う。
両者に共通するのは問題点が明らかになることである。
《1》クレーム
まず顧客からでるクレーム。クレームは問題点がないとまず出ない。
また多く同じクレームが出ればなおさら会社側の様々なサービスや、システムの問題があるから必然的に出る。
様々な会社で、クレームが出てたのに蓋をしていた場面も見ないことはなかった。
例えば、電話オペレータースタッフには「クレーム」がかなり入るが、オペレータースタッフが管理者につたえたら「聞いてくれなかった。」そんな話だ。どこにでもありそうな話だと思う。
ここで問題なのは2点ある。
❶まずは、当たり前に、クレームをしっかり受けとめていない点だ。ケースバイケースだろうが基本的にはマズイ。
➋次には、オペレーターは、顧客からの耳の痛い思いをして我が事のように「クレーム」を聞いたわけだ。
真面目な方ならば、自分が責めらたような気持ちになっただろう。だから、聞いたも者の責任として「改善、反映させよう。」と伝えたにもかかわらず、想いを管理者に聞いてもらえなかった点だ。
二重に、顧客にも、オペレータースタッフにも申し訳ない。謝らないといけない。
❶については、クレームを受け止めて対応する。
➋については、スタッフの想いをしっかり、受け止める。2つが必要だ。
だから、スタッフの想いを聞き、顧客のクレームを受け止めたら、教えてくださった顧客に対して、謝罪をすると同時に、「教えてくださり、ありがとうございました。」と言うべきだと思う。改善する大チャンスをくれるからだ。
《2》次には、スタッフの起こす「ミス」についてだ。
ミスが出たらこれも、「ありがとう。」しっかり包み隠さず教えて、くれたら、「なお、ありがとう」である。
ミスの大部分はヒューマンエラーだ。
ケアレスミスでさえもミスする場所はだいたい誰も同じで、ミスしやすいというのは、やはり、やり方やシステムにそもそもが間違い易い問題をはらんでいるからだ。
ミスをしたスタッフを、一方的に叱り飛ばしたり、断罪するような管理者もいろんな職場で見たことがある。
これは本当に大間違いだ。ミスもまた同じで業務のシステム、仕事の仕方に欠陥、足りない部分があるから、ミスをするという構造がある。
だからミスをしてくれたら、「おかげで問題点があかるみになった!ありがとう。みんなで方法やシステムを改善しよう。」これが正しい。
本来は問題解決レポートの部類も、なにか雰囲気的には「始末書」的に思いながら、書かされていたり、スタッフ会議で発表する時にも、管理者にレポートを提出する時にも、あまり建設的に評価されてる気がしなかった。
この話を他の職種職域の人と話した事があって、長時間、盛り上がった事がある。どこの企業も似たような経験をしているんだなとそのときに思った。働く場とは学びの場だな。いろんな事を教えてくれる。
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