第46話 天空の街 メル・ブルー

「せーの!」

「着いた――――――――‼」

 三人、手を繋ぎ、大きくジャンプした。

 辿り着いたのは大きな丘の周りにできた集落の街。

 そうここが大地なる世界樹アースユグドラシルの頂上。

 この世界で最も高い場所だ。


 辺り一面のスカイブルーの絶景の中、頂上に生えた一本の大きな木を囲む様に街が形成されていた。

まるで、天空の街。

「ここが大地なる世界樹アースユグドラシルの頂上にある天空の街 メル・ブルーだよ!」

「こんな高い場所に、こんな立派な街があるんだな!」

「本当にすごいね! でも、みんなどうやって暮らしているんだろう?」

「全部、魔力マナのおかげなんだよ! この場所が一番新鮮でなにより多くの魔力マナが生成される場所だから、植物も地上よりも成長が早くて、栄養も豊富なんだよ!」

「ホントだ! 所々に野菜畑がある!」

「それにこの高さでも、全然、息苦しくないでしょ? それも全部、魔力(マナ)のおかげなんだよ!」

「確かに!」

「やっぱりすごいんだな、魔力マナって!」

「私たちがこうやって生きていけるのも全部、魔力マナのおかげなんだよ! だから世界樹ユグドラシルには感謝しないとね!」

「そうだな!」

世界樹ユグドラシルはこの世界に無くてはならないものなのね!」

「うん、その通り、いつまでも大切にしなきゃね!」

「よし、じゃあ、この街に辿り着いたし、早速!」

「散策を!」

「宿を!」

「元の世界に戻る方法の手がかりを!」

 三人の意見が分かれた。

「アヤメの言う通り、まずは宿ね!」

「そうだな! で、その後は散策を……」

「何言ってるの? 元の世界に戻る方法の手がかりを探す方が先でしょ、エン?」

「レイナの言う通りです……」

「散策はその後ね!」

「はい!」

「じゃあ、早速、宿探そう!」

 街の中を歩き、宿を探した。


「あっ、早速、宿、発見!? えーと、なになに……? おっ、ここの宿がいいんじゃない?」

「何って書いているの?」

「この宿には天然温泉があるんだって!」

「温泉⁉ いいね!」

「この世界にも温泉があるんだな……」

「温泉ぐらいこっちの世界だってあるよ!」

「そうなんだ……」

 でも、ここは木の上なのに……。

「ねぇ、ねぇ、ここにしようよ、二人とも!」

「分かった!」

「いいよ!」

「じゃあ、決定ね! 私、受付してくる!」

「レイナ、嬉しそうだね!」

「うん、あんなに嬉しそうなレイナを見るのは久しぶりだな! 俺も久しぶりのお風呂だし、楽しみになってきた!」

「エン?」

「どうした?」

「混浴だったら一緒に入る?」

 ……………………?

「い、いや……だって……混浴って……えっ!?」

「冗談、冗談、ちゃんと男女別れているから!」

「……もう、冗談で良かった」

「ははは、もう、エンったら、顔真っ赤にして面白いんだから!」

「二人とも、宿取れたよ!温泉も今から入れるって! って、エンどうしたの?顔赤いけど」

「うんうん、何でもないよ! さぁ、さぁ、レイナ、温泉、行こうか!」

「うん!」

「あ、エン?」

「何、レイナ?」

「一応、言っておくけど、覗いちゃダメだからね!」

「だ、誰が、の、覗くか――――――!」

「エンにそんな度胸ないから心配ないよ、レイナ!」

「そうだね」

 ……おいおい。

 ……俺だって。

 ……いや、しないけど。

「はいはい、エンも行くよ!」

「お、おう!」

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