魔王の娘が圧倒的才能で魔王となり勇者達を蹂躙していく

黒米

第1話 魔王の娘

「うう…パパ!パパ!」


「娘よ…お前だけは生きてくれ…」


「…」


「パパ?ねえ!パパってば!うああああああああああああああ」



5××年 魔界と王国の戦争の始まる

結果魔王率いる魔界は王国軍や王国の主力とされる勇者とその仲間によって敗北。

戦後、魔王の死により魔界は混乱をきたしていた。

そしてこれは魔王の娘が魔王となり、王国へ復讐する物語である。









第1章 魔王の娘


「はあ…」


「ため息つくなんて魔王様の娘らしくないわね、エルン」





「なによっ」


大きなため息を吐く自分を茶化してくる友人「マーズ」に反応する。





「あの戦争が終わってから6年か…次の魔王様は誰になるんだろうなー、もしかして私がなったり?(笑)」


「まーたそんなこと言ってんのマーズ、私達まだ学生だし、魔王なんてまだ早いよ」


「じゃあエルンは魔王様になりたくないの?」




「確かに【総選挙】には出れるけど…」



魔界を統治する魔王は数年に1度に行われる

「魔界総選挙」によって民から選ばれるのだが何百とも参加者が集まる中で魔王になれるのはわずか1人だ。








「それじゃここで!またねエルン!」


「じゃあまた」



互いに別々の帰路へ別れる。

ここは魔界だがニンゲン達とやってることは変わらない。学校に行って魔法や常識を学んで家に帰る、ただそれだけ。









「勇者だ!勇者がきたぞおおおおおおお!」

「!?」






マーズと別れて数十分後、警鐘と共に住民たちの悲鳴が聞こえた。

ここは魔界の辺境だ、敗戦後王国軍が攻めてくることはしばしばあった。もっとも、最近は攻めてくることは無かったが。





「助けて!助けてえ!」「魔界兵はまだきてないのか!早く連絡しろ!」「きゃあああああああああ!」






住民たちの悲鳴が聞こえる、マーズは無事だろうか、と考える前に体が動いていた。






「ひゃっはあああああ!魔物や魔界人狩りは楽しいなあ!?お嬢ちゃんは元気かいぃぃぃぃ?いい魔法撃つねえ!」





「くそっ!全然効いてない!この魔法なら…」



マーズは未熟だが魔法が使える、中でも彼女は火属性の魔法が得意だ。彼女は火属性の上位術【ヘルファイアストーム】を唱えたが、勇者は微動だにせず圧倒的な差でマーズは、地面にひれ伏していた。








「お嬢ちゃんもう終わりかい?これからどうしようかなあ?あ、そうだ!僕お嬢ちゃんの身体見てるとムラムラしてきちゃったぁ」


「や…やめろ…」






「お嬢ちゃんは僕を攻撃したんだよぉ?責任取ってもらわないとねぇ」


「やめてくれ…」



勇者は自分の服を無理やり脱がせ始めた。もう自分は終わりなのだと実感したその時、








「ファイア」







いつの間にか勇者は火球と共に飛んでいた。


自分の魔法ではない、自分の魔法なら今の魔法より威力が低く弾速は遅かっただろう、ましてや火属性の初級術【ファイア】だ、勇者どころか王国兵の鎧にもあまりダメージは通らないだろう。







「はあ…はあ…ちくしょう…だれだあ!?俺に傷をつけたヤツはぁ!?」






「その程度なの?勇者」


「なんだ今の魔法はァ!?最上位術か!?」



銀色の髪がなびく女の子を見る。エルンだ、エルン・ノワールだ。前魔王ノワール王の娘で魔界学校きっての天才の「初級」魔法に勇者はよろめく。






「また魔界人かァ…まとめて殺して俺のラブドールにしようかなあ?よぉし…俺も本気だそうかなァ!?」


勇者に闘気が漲る。







「へえ…スキル【肉体強化】と【剣強化】か…君にはもったいないね」


「ウルセェ!ぶっ殺してやるよぉ」






勇者はエルンとの距離を詰める、勇者の速度はマーズの目では捉えることが出来なかった。だが、







「ファイア」



この彼女の一言でさっきまで勇者だったものは灰になっていた。








「エルン…遅いよ…」


「ごめん、待たせた。」



脱がされそうになった服を整え、エルン達は被害にあった住民を治癒魔法で治療していると、ぱちぱちとゆっくりと手を打つ音が水を差す。

いつの間にかエルンの傍にその女性はいた。









「君がエルン・ノワールだね?」


「…誰?」


「突然だけど、君には魔王になってもらう。」


「は?」

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