今日もガウガウ

六花

第1話 不思議な少女

 周りは田んぼや畑ばかり。自然豊かと言えば聞こえは良いが、実際は山に囲まれ一番近い店まで歩いて30分はゆうにかかる不便極まりない田舎。

 生まれも育ちもその田舎である俺にとっては多少の不便はどうって事ない。

 逆に通学二年目に突入した俺の高校がある町の方が居心地悪い。

 平日の通学で疲れた心身を癒すべく、土曜の朝から一番近い店である駄菓子屋へ行って、駄菓子を摘みつつ散歩をしていた。

 長閑な景色に穏やかな気持ちにさせてくれる小川のせせらぎ。小川に掛かる小さな橋の下で膝を抱えている小汚い少女。


「んん!?」


 危うくスルーするところだった。

 明らかに様子がおかしい少女に近寄ってみると、様子どころか姿もおかしい。

 散歩中、俺は不思議な少女に遭遇してしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る