よくありそうでなさそうなこと

バブみ道日丿宮組

お題:少女の海風 制限時間:15分

よくありそうでなさそうなこと

「……はい。わかりました」

 休日を適当に過ごしてると、バスケットボール部の顧問から連絡が来た。

 今日大会をやってるのに、なぜきてないんだとのこと。

「……はい」

 適当に生返事し、電話を切る。

 親が不審に思う表情を向けてきてる。

「部活行ってくる」

 部屋に戻って、学校指定のジャージに着替える。

 地味な緑色で実に可愛げない服。赤色だとか、ピンク色だとか、黄色とかになったりしないだろうか。あとはリボンがついたり、フリフリがついたり、もっと可愛くなったりしないだろうか。

「……おえ」

 男子生徒が着てるのを想像して吐きかけた。

 やっぱ地味でいいかもしれない。

 玄関まで降りると、母親が待ってた。

「ありがとう」

 お昼ごはんにと、私が着替えてる間におにぎりを作ってくれたらしい。

 それをスクールバッグに入れると、私は家を後にする。


 そうして、数十分後。


「……いい音」

 私は、海に来てた。潮の香りが漂ってる。

 海岸線に置いてあるベンチの上で私は優雅におにぎりを頬張ってた。

 そう、ここは大会のある体育館じゃないのは、見ても明らか。

 正直今大会に行ったところで、何をしに行くのかわからないし、嫌な視線を先輩たちから浴びるのも嫌だ。もともと背部寸前だし、一人くらいなんのこったないだろう。

 部活の練習もたまにしか行かないし、何のために入ってるんだかと思うことが多い。

 そろそろ辞めることも検討しなきゃいけない。

 クラスメイトから美術部のお誘いがあるし、そっちにいってもいいかもしれない。

「……」

 誰かにかっこいいところを見てほしくて、バスケットボール部に入ったんだけどなぁ。

 男子部員はくそな先輩しかいないし、女子部員は私より可愛いとかキレイなこがいる。

 そんな中で中途半端な私がいても、目立つことはない。

 最初からわかってたことかもしれない。

 私はあまり運動が得意じゃないんだから。

「……あ」

 スマホに母親からメッセージがきた。

 到着したかどうかの確認らしい。

 嘘をつくのもあれなので、スマホのカメラで海を撮影。

 ちょうど船が通ってたので、多少なりとも見栄えするようなものになった。

「……」

 この時期の海は危険だから、はやく帰ってきなさいと返信がきた。サボったことには何もアクションはなかった。母親は私に甘い。

 姉に厳しくしてたから、その反動でそうなってると、姉がいつもぼやいてた。

「さて」

 おにぎりも食べ終わったし、絶対的に大会に間に合う時間じゃないし、家に戻ろうかな。

 帰るとメッセージを送ると、もう一度海を眺めてから私は家に進路変更した。

 

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よくありそうでなさそうなこと バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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