第4話 検証

 しかし、あの紙は誰が置いたんだろう、

悪ふざけにしては出来すぎている。


 正夢ということもあるが、夢の内容は、

当の本人しかわからないはずである。


 そこで、私はテストをしてみることにした。


 「ぱんつさん、悪いんだけど、下でジュース買ってきてくれるかな?」


 こいつは、自称フードライターとして、店から袖の下を貰っている小悪人だ。

酒癖が悪く、自分のファンではあるが、はやく消えて欲しい。


 私は、彼に千円札を渡した瞬間、ある質問をした。


 「ねえ、あなた私のファンだけど、他に気になる子はいないの?」


 「遠藤愛さんかな、彼女が一番だと思う」


 「ふーん、じゃ私は何位かしら?」


 「君は3番位かな、やらせてくれそうなのでファンクラブに登録している」


 まあ、そんなものだとは思っていたけど、

当の本人を目の前にして言うことではないわな。


 しかも、手渡したはずの千円札は消えている。


 私は、もう一つテストをしてみた。


 「私、今お金がちょっと必要なの、

あなたの今持っている全財産を貸してくれる?」


 ぱんつは、財布を取り出し5万6千円をまず渡してくれた、

ついでに、小銭も渡そうとするので。


 「あ、小銭はいいわ」


 私はその時に確信した、「札束ビンタ」これは本物だわ。


 あのドケチで、陰湿なこいつが、何も言わずに金を出すはずが無い、

あとは、こいつが紙にあった通り、貸したことを忘れるのかどうか?


 1分60円だから、17分後に結果がわかるのか、楽しみだ。


 私が、1ステージ終ると、そこにはあいつはいなかった、

どうやら忘れ去られたみたいだ。

 

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