砂城
齊藤 涼(saito ryo)
第1話
すれ違うと香る石鹸の匂い
あなたのまわりだけ
空気がキラキラと輝いて
微笑まれると心臓が掴まれたみたい
まるで遠くの方から弓矢が飛んできて
ストンッと心に刺さったみたい
あなたの声で奏でられる私の名前は
形を変えて耳の奥ををくすぐる
会えない日は寂しくて
あなたと笑顔で話しているかもしれない
誰かを思って息苦しくなる
何かあなたのためになることで
私にしか出来ないことがあると信じたい
たとえあなたの中の私が友人でも構わない
この関係が簡単に崩れ去ってしまうような
砂でできた塔かもしれないのなら
何事も起きないように固めてしまいたい
このままずっとこの気持ちを抱えたまま
あなたが気の合う友人だと
思ったままでいたいと切に願う
砂城 齊藤 涼(saito ryo) @saitoryo
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