ブレイブファルコナーズ~大空の勇者たち~

四条京

プロローグ いつかの夢

0-1

「なあ、×××!」




 夕焼けのオレンジ色に包まれた、山の中にある神社の境内で、俺はあいつの名前を呼ぶ。

 隣に立つあいつからは、お日様の下で乾かした洗濯物のような、あったかいにおいがした。


「どうしたの?」


 不思議そうに首をかしげるそいつに、俺は言う。


「俺たち、これからもずっと、友達でいような!」


 俺が右手の小指をさしだすと、そいつは、どこかぼんやりとした様子で、ぽつりとつぶやいた。


「……これからも、ずっと」


 ずっと。

 その一言をかみしめるように、ゆっくりとまばたきをする。

 そんなあいつに、ニシシッと笑って、俺はなおも小指をつき出したんだ。


「ああ! それで、ずっとずっと、一緒に遊ぼう!」


 俺の言葉に、あいつは、少しだけ迷うように目を伏せて。

 けれど、それから、ゆっくりと顔を上げると、小さくうなずいてくれた。


「……うん」


 そしてそいつは、その細い小指を、俺の小指にからめて、笑う。

 夕焼けに照らされたその笑顔は、めちゃくちゃかわいくて、それでいて、とてもきれいで。

 だけど、何でか、泣きだしそうにも見えたのを、今でもよく覚えている。




「ずっと、一緒だよ――ツバサ」




 あいつがそう言った瞬間、遠くの山の向こうに、ゆっくりと太陽が沈んでいって――

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