第136話

【契りを交わすとはそういう事だ!その子供が死ねば我が子も死ぬ…逆もまた然りだ!】


母ドラゴンが恨めしそうに叫ぶと


「おい、それどういう事だ?聞いてないぞ」


【ドラゴンと契りを交わすとは身も心も一緒になるのだ…それこそ死ぬまでな】


エイトは子ドラゴンを見つめると


【ごめん…】


申し訳なさそうに謝っている。


エイトはそんなしゅんとしたドラゴンを見つめ…ふっと表情を和らげると


「そっか、ならこれからずっと一緒だね!お互い死なないように頑張ろ!」


ニコッと笑ってドラゴンを撫でる。


「じいちゃん、僕それでいいよ。ドラゴンさんとずっと助け合って生きればいいんでしょ?」


「しかし…」


「だから喧嘩しないで!二人が喧嘩する方が僕達嫌だよ…ねぇ」


エイトがドラゴンを見ると、コクッと頷く。


その様子にカズキと母ドラゴンは気まずそうに顔を合わせると…


「すまなかった…つい感情的になっちまった」


カズキが頭を下げた。


ドラゴンはその様子に驚くと…


【人間にも話がわかる奴はいるのだな…】


ふっと目を細めカズキ達を見つめる。


【お前らを信じて我が子を預ける…たまには顔を見せにおいで…】


母は愛おしそうに子と首を絡めると


「顔を見せに来いとはどういう事だ?」


カズキが聞くと


【私は一緒にはいれないからな…】


「なんで?」


エイトが聞くと


【契りを交わしてもいない人間と一緒になどいれないだろ】


「別に関係ないんじゃない?一緒に居たいならいればいいのに…ドラゴンさんもお母さんと離れるの辛いよね?」


エイトが聞くと子ドラゴンは迷いながらも頷く。


【まだ…一緒に居たい…】


ドラゴンが母親を見つめると


「ほらな、まだ一緒にいてやれよ。それにあのクソ国王に一発食らわせてやりたくないか?俺たち今からあいつとあいつの国をぶっ壊しに行く所なんだよ…よかったら一緒にやらないか?」


カズキが笑って声をかける。


【あいつを?】


ドラゴンはキョトンとすると…ジワジワと笑いが込み上げてくる!


【それはいいな!よし…あの人間を殺すまで私も手伝おう…殺された同胞達の分まで暴れてやる】


【お母さんも来るの?】


子ドラゴンが伺うように聞くと


【ああ、もう少しそばにいさせておくれ】


嬉しそうに子ドラゴンを舐めた。


「良かったね!」


エイトがドラゴン達に笑いかけると


【我が子の契約者よありがとう…よかったらこの子に名をつけてあげてくれないか?】


ドラゴンはエイトに微笑むと


「名前?僕がつけていいの?」


ドラゴン達を見ると同意するように頷いている。


エイトはじいちゃんを見ると、同じように笑って頷いていた。

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