第101話

「そんなことしなくても僕は平気だけど…」


エイトが先を行くダレンに戸惑っていると


「いいから、あいつの好きにさせておけ。エイト、ジャック、俺の順で行くぞ」


「はい!」


「エイトもいつも通りやれば勝てない敵はそう居ないはずだ。ジャックと協力して進め」


「わかった」


ジャックは頷くとエイトにピッタリと張り付いた。


村を出てラルクが調査に行っていた森に着くとダレンを先頭に伺いながら先へと進む。


「ダレン…場所はわかるか?」


ラルクが声を落として聞くと


「ええ…嫌な気配がする方に進めばいいわね」


ラルクが頷く。


森に入って数百メートル進むと…


「早速何か来たわ…エイトちゃん気をつけて」


ダレンがガサガサとと動く茂みを見つめていると…


「ギシャー!」


エイト達が村の門近くで倒したものと同じ蛇の魔物が現れた。


「あっ!」


エイトがそれに気がつくと


「肉だ!」


ジャックが先程食べた串焼きを思い出す。


「あーあの肉はこいつなの?」


ダレンはジャックの反応に蛇の魔物を風魔法で頭を跳ねる!


蛇の魔物は頭が落ちたあとも少しクネクネと動くと…


バターン!


地面へと崩れ落ちた…


「よし、持って帰ろう」


ジャックが言うと


「えー!これをそのまま持っていくの!」


ダレンが死んでもピクピクと動いている魔物を見つめて渋い顔をする。


「当たり前だ!これが美味い飯になるんだから…」


ジャックは魔物の肉を見てヨダレを垂らす…


「大丈夫だよ、ダレンさんカバンに入れちゃえば見えないからね」


エイトがカバンにしまうと


「ほら、呑気に話してる暇ないぞ!次々に魔物が来てる!」


ラルクが前を見ろと声をかけると魔物達が襲いかかってきた!


「なんでこんなに!」


ダレンが魔法で次々に魔物に攻撃をするが間に合わない…すぐ側まで近づいてきた魔物に…


殺られる!


思わず手でガードすると…


「ダレンさん!」


エイトとジャックがダレンの前に飛び出して魔物を斬りつける!


「何やってるんだ!油断するな!」


「ダレンさん、大丈夫?」


対照的な二人がダレンを見て振り返る。


「ふふ…ありがとう。小さいナイトくん」


ダレンは笑うと


「よし!いっちょ本気出すか!」


急に男らしい声をあげると腕まくりをして魔物の群れに飛び込んで行った!


「「えっ…」」


エイトとジャックは唖然としながらダレンの後ろ姿を見つめていた…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る