第94話

ギルマスと話を終えてラルクが戻ってくると、エイトはジャックとダレンと話をしながら待っていた。


「お前…まだいたのか?」


てっきりもう何処かに行っていたと思ったダレンを呆れてみつると


「あなた好きにすればいいって言ったでしょ?だからエイトちゃんのそばにいることにしたの」


「ダレンさん仲間になりたいんだって」


エイトがニコニコとラルクを見つめる。


「こいつが仲間!?駄目!駄目だ!」


ラルクが大きく首を振る!


「お前の教育上よくない!それに…カズキが許さんぞ」


ラルクが言うと


「じゃあそのカズキおじい様に挨拶に行くわ!それで許可を取れば問題ないわよね?」


ダレンが言うと…


「マジかよ…」


まぁカズキが追っ払ってくれるかな…


ラルクは仕方なさそうにため息をついた。


「それでエイトは肉はもらったのか?」


「うん!バッチリ」


「じゃあ行くか」


ラルクが外に向かって歩いて行くと


「僕…ひとつ寄りたいところあるんだけど」


「ああ、言ってたな何処だ?」


エイトはパァと顔を綻ばせると


「美味しいお肉の串焼き屋さん!」


早く早くとラルクとダレンの手を取ると走り出した!


「なんだエイトまたあれを食うのか?」


ジャックが嬉しそうに並んで走ると


「うん!」


エイトが笑顔を向ける!


「おいおい、そんなに急がなくてもその店は無くならないだろ」


ラルクが苦笑すると


「でも早く二人に食べさせたいの!」


ラルクとダレンは笑いながらエイトに引っ張られていた。


店に着くと…


「いらっしゃい!」


お店のおばさんが元気よく声を出している!


エイトはおばさんに駆け寄ると


「おばさん!お肉買いに来たよ!」


エイトが声をかけるとおばさんもエイトを覚えていてくれて笑顔を見せてくれる。


「僕また来てくれたんだ、ありがとうね!」


よしよし!と頭を撫でられると


「今日はお金沢山あるよ!だから沢山下さい!」


エイトはギルドで貰ったお金を全部出すと


「あら!そんなに沢山どうしたの?」


おばさんがびっくりしてお金の袋を見つめると


「僕のジャックが魔物を倒してギルドからお金をもらったの!だからこれで最初におばさんのお肉を買おうと思って」


ニコッと笑いかけると


「ありがとうね、嬉しいよ…じゃあたっくさん焼いてあげるよ!」


「わーい!」


エイトが喜んで手をあげていると


「坊ちゃん!坊ちゃん!その節は大変失礼しました…」


前にエイトを追い返したあのオヤジが手をこねくり回りながらエイト達に近づいてきた…

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