第33話

「到着!!」


僕とジャックは一緒に山爺の小屋の前に到着した。


途中何匹か魔物に会ったが問題なくふたりで倒すことが出来た。


僕は小屋の前にたつとトントントン!扉をノックする。


「こんにちは!山爺さんいますか?エイトです」


大きな声で小屋に向かって声をかけるが中から返事は帰ってこなかった。


「あれ?山爺さん?」


もう一度扉を叩くとジャックが小屋の横から何か吠えている。


「ガウッ!」


僕はジャックのところに行くとそこには小屋の中が見える窓から中を見ろとばかりに吠えている。


僕は悪いと思いながらも中を覗くと


「あっ!山爺!」


小屋の床に山爺が倒れていた!窓に近づくとガタッと窓が開いた。


僕は部屋に飛び込むと山爺に声をかけた。


「山爺!大丈夫!僕の声聞こえる!?」


「うっ…うう…」


山爺は胸を押さえて苦しそうに唸っている。


「く、くすり…」


山爺はベッドのそばのサイドテーブルを指さすとそこにはほぼ空の薬の瓶が置いてあった。


僕は急いで薬を取ると水を持ってくる、山爺の体を起こすと残り僅かな薬を口に含ませた。


山爺がどうにか薬を口に入れるのを確認すると水を口に当てて流し込む。


山爺をそのままベッドに寝かせて様子を見ていると山爺の呼吸が落ち着いて来た…その様子にホッと胸を撫で下ろした。


「山爺…大丈夫?」


そっと声をかけると山爺の目がうっすらと開いた…


「お…おお…カズキんとこのエイトか…」


山爺が喋った事に安心すると


「もう、びっくりしたよ。来たら山爺倒れてるんだもん…」


「すまなかったなぁ…エイトのおかげで生きながらえたなぁ」


アハハ…と力なく笑う。


「山爺…薬最後の一つ飲ませちゃったんだけど薬無くなっちゃったんだ…ごめんね」


空になった薬の瓶を見せる。


「エイトが飲ませてくれたおかげで助かったんだありがとうよ。お前が謝ることなんてないぞ」


山爺が寝ながらエイトの頭を撫でた。


「でも…つぎ苦しくなったらどうするの?」


「そうだなぁ…」


山爺が困ったように笑うと


「あと二日したら薬を持ってきてもらえる事になってるからそれまで大人しくしてるから大丈夫だ」


心配するなと笑っている。


「薬って…どこで売ってるの?」


「どこって町だが…」


山爺が顔をしかめると


「僕今から行って薬買ってくるよ!」


「いや、駄目だお前カズキに町に行かないように言われてるだろ?」


そう…僕はカズキとナナミにあまり町の方に近づかないように言われていた…。


「大丈夫だよ!こんな時に動かない方がじいちゃんに怒られるよ!」


僕は立ち上がっると笑顔を見せた!

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