されど梟は嗤う

@racoons

第1話

はじめに

 

205█/██/██より発生したと思われる特定特殊生物とのファーストコンタクト__我々が広く知っているであろう名で言わば、セルリアンとの接触。


当初の資料は多くが消失し、断定こそ出来ないものの何らかの原因により偶発的にフレンズの結晶化現象が発生、次第に武力を伴う事態と発展して行ったと見られる。


それから幾ばくかの時が過ぎ、人類種が使用する兵器が無力化されるに従い、彼らはこの地より姿を消した。またセルリアンに対する有効的な手段を見出せずに居た我々の版図は大いに狭まる事となる。


(一連の出来事により消失した文化や遺産は数えればキリがないが、もっとも身近な例を挙げるとするならば識字率の低下から口頭伝承に頼らざるを得なくなった事だろうか。)


人類種__ホモ・サピエンスがどこへ消えたのか、我々は知る由を持っていない。それもその筈、「トウキョウ」と「キョウシュウエリア」では途方も無い海洋に隔たれており、そのサンドスターの希薄さから常に我らの接触を阻み続けている。

 

しかしながらそれは技術革新によって過去のものと変わった。度重なる調査隊派遣の成果により全ちほー、エリアへの移動が可能となった今、満を持して我々はヒトの痕跡を探る事が可能となったのだ。



拙い文章ではあるが、どうか聞いて欲しい。



高度な文明を創造し、全ての基礎を作り上げたHomo deus神々はどの様な過程を辿り、どの様な終末を迎えたのか。

彼らの過ちを、二度と繰り返さぬように。


我々が知る限りの情報を、ここに記す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

されど梟は嗤う @racoons

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ