花と風



南から風が 吹いてくる頃

丘には花が ほころんでいた

風はいったん 通り過ぎたが

やはりもう一度 舞い戻ってきた


風の口説きは 甲斐が無いらしく

花は嫌よと 頭を振るなり

茎を残して 散ってしまった

風はそのまま 吐息になった



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