春の祈り



お前さんたちが 生まれたのは

うら暖かな 春じゃった

あの時はみんな 花見して

ええあんばいに 酔っとった


そのあと夏に なってみりゃ

みんなで海に 行ったっけ

ひんやり冷たい 塩水が

ひどく気持ちいい 時じゃった


黄金こがねの秋が 来た頃に

ぼちぼち寒く なってきた

風が木の葉を 散らしては

なんだか妙に ぞっとした


いよいよ冬が やって来りゃ

みんな擦り寄って 暖をとる

「おお神よどうか 私らに

暖炉とパンを くださいな!」


いまさら神に 祈っても

それはちとばかし 遅すぎる

最後に春まで 生きるのは

春から祈った 奴だけさ


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