第242話
雲一つない快晴の今日、俺たちは特別な日を迎えている。先日、マルグリットが正式にカノッサ公爵家の養女となったので、
そんな俺たちがいる場所は、何時も通りのカノッサ公爵家の屋敷。そしてカノッサ公爵家の屋敷には、カノッサ公爵家の派閥に属する貴族たちが集められており、貴族たちの顔には機嫌が良さそうな笑みが浮かんでいる。各々が食事や紅茶を楽しみながら、最近の近況から領地経営などについて、色々な事に関して談笑を
それに以外にも、魔法学院で仲良くなった貴族令嬢たちや、一般入学の平民の生徒たちの姿もある。今日という
「イザベラ様、あの子たち大丈夫でしょうか?顔色も少々悪い様ですし、緊張が高まり過ぎて体調を崩さないか心配です」
「私たちが思っていた以上に、皆さんが注目され過ぎてしまいましたね。私たちの婚約式を機に、皆さんを派閥の者たちに引き合わせる事で顔を
「いえ、その考え自体は私も素晴らしいものだと思います。彼らが地位的にも経済的にものし上がるには、またとない機会である事は間違いありません。しかし、イザベラ様の言う通り、予想よりも注目され過ぎた事で緊張の方が勝ってしまった様です」
「私たちも出来るだけ皆を支えるから、貴女たちも皆を支えてあげてくれるかしら」
「はい」
「あまりにも体調が悪い子がいたら、その子はしっかりと休ませてあげて。その際には、派閥の者たちとの顔を繋ぐ機会は、体調が良くなってから改めて行うと約束すると伝えてね」
「分かりました。……改めて、皆さま本日はおめでとうございます」
『ありがとう』
イザベラたちを
その気持ちは非常に分かる。何時ものイザベラたちも非常に魅力的な女性なのだが、今日が俺やイザベラたちにとって心待ちにしていた晴れの日という事もあり、溜め込んでいた感情が爆発して喜びに満ち
今日の婚約式に来てくれている皆が、俺たちの幸せを心から願ってくれているのが分かる。派閥に属しているという者だからという事だけでなく、イザベラやクララたちの事を、本当の娘や姪っ子の様に想ってくれているのが伝わってくる。そんな皆と色々な事を楽しく談笑しながら、今日という日を祝福してくれる事に改めて感謝した。
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