嫉妬するヒロインを眺めるだけのイチャイチャラブコメ

桜祭

1、ハリボテの勇気

前書き


どこにも描かれてないけど、確かに存在したハーレム物語。

架空のハーレム物語にて、主人公とメインヒロインがくっついたんだけど、サブヒロイン達は主人公を諦めてなくて……。


そんな主人公に嫉妬するだけのメインヒロインをただ眺めてニヤニヤするだけの物語です。








私には長年ずっと想い続けた人がいます。


容姿しか見てくれずに、1度も話しかけられたことのない男性から告白をされた事も何度かありましたが私には諦めたくない人がいたので全て断ってきました。

内気で意気地のない私ではありますが彼に振り向いてもらいたくてなけなしのハリボテの勇気を振り絞ってきました。


何回も何回もスレ違いを重ねた日々。

私は彼にとってのヒロインにはなれないのだと諦めた事もありました。

それでも、紆余曲折が続きようやく想いが報われました。


蝶野揚羽チョウノアゲハ、これが親に授かりし名前です。

蝶を連想させる名前で過去に揚羽蝶だのとからかわれる事が何回もありました。

でも、『君らしく儚くてキレイな名前だね』と褒めてくれた相手が唯一無二でまだ短い人生ですが独りのみ、そんな酔狂な方もいらっしゃいます。

伸ばした黒髪を靡かせ、私はその独りにだけに誉められたくてお洒落を決めます。





本日は冬で気温の低い2月。

そして、女の子ならヒロインでありたいと願う日。

バレンタインデーであります。

付き合ったばかりの彼ですが喜んでくれるのでしょうか?

朝からまたハリボテの勇気を背負い彼の家に向かいます。

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