第4話
俺が慈悲をかけたおかけで魔女に関する情報を手に入れることが出来た。
その中には逝姫も知らなかった情報もあるようなのだが、重要そうなことをいくつかまとめてみることにしよう。
この世界では四種類の種族が存在する。割合的に言うとほぼ百パーセントに近いのがこの世界で誕生した生命体である。この世界に元からいる住人や動植物などすべての生き物が含まれる。人類だけに限って見ても、この世界に存在するほぼすべての人間はこの世界の住人であり、俺たちのように異世界から召喚されたものは異世界人としてカウントされているのだが、俺のように神によって召喚されたものも大魔王によって召喚されたものも同じく異世界人として数えられているらしい。次に多いのは人工生命体と呼ばれる存在で、魔法であったり機械であったりと人の手で作られた生命体がある一定数存在しているそうだ。次に存在が確認されている種族は神や悪魔や魔王といった人知だけではなく異世界人や人工生命体よりもはるかに高レベルのエネルギーを有数存在である。
強さで言うと神や悪魔や魔王が頂点に君臨し、異世界人、人工生命体、現地民の順番になるのだが、種族当たりの強さは人口比率とは全く逆になってしまう。神や悪魔や魔王は強さは別格になってしまうのだが、異世界人と人工生命体は本人の資質や相性によっては強さとは異なる要因で勝負がついてしまうのでどちらが強いかと一概に言えるものではないそうだ。人数ばかり多くて戦闘能力が皆無な現地民ではあるのだが、この世界には異世界人や人工生命体が逆らうことが出来ない約束事があり、異世界人や人工生命体は現地民に直接手を下すことや命を奪う事は決して出来ないようになっているのだ。異世界人が現地民を襲えないことは召喚された際に言い渡されるいくつかの禁止事項に含まれているためにそれを遵守する必要があり、人工生命体においても同じように現地民を襲うことは禁じられているのだ。人工生命体においては命を作り出した勢力以外を敵とみなし、同士討ちが起こることは無いのだが、異世界人に限っては現地民を襲わないという決まり以外は決まっておらず、との勢力に与するかは己の判断にゆだねられている。
次に、命の重さで言うと、髪や悪魔や魔王が一番重いのは納得出来ると思うのだが、次の命が重いのは現地民である。異世界人や人工生命体は例え命を落としたとしても命を与えた者、異世界人であれば召喚者、人工生命体であれば製作者の手によって再び命を与えられることもかのなのである。ただし、異世界人であれば召喚者がいなくなってしまえば復活することは出来なくなるのは当然なのだが、人工生命体に限って言えば、命を与えた者がいなくなったとしても、代わりに命を与えることが出来るものが存在するのなら、新しい命を手に入れることは可能なのだ。ちなみに、人工生命体に命を与えるためには神に近い力が必要になるのだが、今現在この世界で確認されているものは四人の魔女と三人の科学者だけなのだ。
最後に、この世界には圧倒的に娯楽が不足しているようで、異世界人や人工生命体は各国の戦争の駒であったり余興として殺し合いをさせられたりしているのだ。この世界には四つの大国があるのだが、その周辺にも小さいながらも戦力が充実している国が沢山あるようだ。ちなみに、四人の魔女は大魔王が統治するセイラント魔法国に属しているそうだ。俺が今いるのは神が統治する新自由帝国であり、現地民の数は新自由帝国が一番多いそうだ。他には悪魔が支配するヴスキア共和国と、三人の科学者が独自に作り上げた東洋同盟が大国として君臨している。東洋同盟に限った話ではあるのだが、時期によっては参加する国が大きく変わることが特徴で他の大国よりも強力な力を持つことも過去にはあったらしいのだが、現在ではそれほど強い力を持っていないようだ。国力で言えば四人の魔女が属するセイラント魔法国が一強と呼べなくもないのだが、魔女同士は力を合わせるつもりが無いらしく戦争になったとしても戦力を分散させてしまうので大きな戦果を得ることは無かった。新自由帝国は人口や異世界人の数自体は多いのだが、単独で魔女に対抗できるほどの戦力を有しておらず引き分け狙いの持久戦に持ち込むことが多いのだ。ヴスキア共和国はセイラント魔法国と新自由帝国の争いを静観することが多く、その戦力はいまだに全容を明かすことは無いのであった。
このような情報を手に入れたことで俺がどの勢力に加担してこの世界を支配すればいいのか考えてみたのだが、話を聞いただけでは何も理解することが出来そうにもないので、俺自らがそれぞれの国へ赴き、どの勢力を俺の支配下に置くのか考えるのも悪くないと思う。
そうだな。まずは一番近い新自由帝国の皇帝に会いに行ってみることにしようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます