森暮らしのオークさん

オークという生物について

――オークというのは野蛮で危険なモンスターである。

　オークは巨大で醜い容姿をしている化物だ。その巨体に相応しい怪力を持ち、その容姿の醜悪さの通り知性が低い。

　性格は獰猛で肉食。生き物であれば食料と見なし、何でも襲って殺して食う。

　オークは大半がオスである。その為繁殖能力が高く、別種族でも性別がメスでさえあればオークの子を宿す事が出来る。また性欲も旺盛であり、自ら楽しむ為にメスを犯す事が多い。

　遭遇した生き物は高確率で殺される。その生き物がオスであれば食料として喰らう為に。メスであれば繁殖のため、襲って犯して犯して犯し尽くして、最終的には発狂死か衰弱死か、コトの最中にうっかり力加減を間違えて殺される事になる。

　知性が低い為魔法は勿論、細かい道具などは扱えない。武器は怪力だけだが、その怪力が脅威となる。素手で襲い掛かる事もあれば、棍棒のような物を振り回す事もある。その怪力から繰り出される攻撃は生半可な防具で防ぐことはできない。攻撃を受ける、なんて事を考えてはいけない。

　またその肉体をそう簡単に傷つける事が出来ない。実力と良い武器が揃って、漸く表皮に傷つけることができるか、というレベルだ。森のダンジョンを住処にしており、人里へと降りてくる事は滅多にないという事が唯一の救いだろう。

　もし森のダンジョンに依頼や素材集めで入る際、基本的にオークには――特に女は近寄ってはならない。捕まったら最後、男は食料に、女は犯され子を孕まされた挙げ句死ぬ羽目になる。

　遭遇した場合対話しようなどと考えてはならない。また命乞いなど無意味だ。対抗できる実力や手段が無いならば、真っ先に逃げる事を考えろ。

――冒険者ギルド　モンスター図鑑『オークについて』より抜粋