エピローグ


 俺ことユノン・ユズリィーハは、ギルティアを倒し、見事復讐することができた。

 さらには妹の病気も治り、言うことはなしだ。


 あの後、ギルティアが死んだことが人間側にバレ、俺のダンジョンが襲撃された。


 国は全勢力をもって、俺のダンジョンを攻略しにかかったが……。

 すべて俺の敵ではなかった。


 いくら兵士の数を揃えようと、所詮は有象無象だ。

 ギルティアたちのような勇者には遠く及ばない、雑魚だ。


 俺はダンジョンの第二階層を、トゲのついた床に変更した。

 そして第一階層を落とし穴だらけにしたのだ。

 よって兵士たちは次々と針山で死んでいった。

 百万の軍勢も、俺のダンジョンの敵ではない。


 さらに、他国も干渉してきたが、俺と魔王ラヴィエナの策略によって、すべて退けた。


 俺はメタモルスライムの変身特性を活かして、様々なモンスターの雄に変身した。

 まあもちろん人外魔物とは交わらない……。さすがにそれは遠慮した。

 だが、サキュバスやヴァンパイアにはたくさんの子を産ませた。

 どうやら俺の子はみな、すさまじい魔力を受け継いで生まれるようだ。

 もちろんラヴィエナやイストワーリア、アンジェとも子を成した。


 俺の嫁や子たちはすさまじい魔力で、世界を塗り替えていった。

 今では人間たちは俺に屈し、手を出してこなくなった。

 不可侵条約を結び、俺のダンジョンは魔族の国として認められた。


 何年かして、魔族と人間は交流を持ち出した。

 俺の血を受け継いだ魔族たちは、人間と変わらない……いや、それ以上の知力を持っていた。


 俺は超巨大な魔族国家の王となったのだ。

 今もなお、勢力は拡大を続けている。


 人間と魔族、彼らが今後どういう歴史を紡いでいくかはわからないが……。

 少なくとも俺は、現状に満足している。


 俺の家族はみな幸せを手にしたし、俺は守りたいものを守れた。

 アンジェ、イストワーリア、ラヴィエナ……。

 三人の嫁に愛され、俺は人生を謳歌した。


 今ではあのギルティアに殺されたことなど、どうでもいいと思えるようにもなった。

 最後に勝ったのは俺なのだから……。


 あ、そうそう。

 あのあと何人か勇者のカードを受け継ぐものが現れたが、どれも俺の敵ではなかった。

 なにせ俺はギルティア含む三人の能力をそのまま使えるのだからな。


 それと、エルーナとレイラだが……。

 彼女らも過去を忘れて、それなりに暮らしている。

 まあ、俺にとってはいいストレス発散の道具になってくれたよ……。

 おっと、これ以上言うのはやめておこう……。

 あまり悲惨なことを書くと、俺の印象が悪くなってしまう。

 ただ、彼女たち自身は幸せそうにはしていたよ……。

 まあそれも、アンジェののおかげかな。


 とまあここまでいろいろ書いたが……。

 俺は今、死の淵にいる。


 もう年齢も500歳を超えた。

 メタモルスライムの身体は、それなりの寿命を持っていたようだ。

 だが、そろそろ俺の精神のほうが限界のようだ。


 俺は心身ともに、弱り切っていた。

 だが、幸せな人生だったと思う。

 満足な人生だった。

 やり残したことはなにもない。

 もうやり切ったと心から思えるよ。


 それでだ、なぜ俺がこんなことを、わざわざ書に書き記しているかというと……。


 数千年後、俺と同じような目に遭う人物がいないとも限らないからだ。

 俺は、自分の記録を、こうして残しておくことにした。

 どこかの物好きが、面白がって読んでくれればそれでもいい。


 とにかく、俺は最後に自分の人生を書き記した。


 最後に、この書物の最後に、地図が書いてあると思う。


 あなたがもし、ダンジョン運営に興味がおありなら、ぜひそこを掘り返してもらいたいと思う。


 私が過去に遊びつくした、例のものが隠してあるから。


 そう、異世界からの漂流物と思われる、あの不思議な魔道具さ。


 【ダンジョンズ】


 そんな名前のゲームが、昔あったんだ。


 では、私から……続く者に、この言葉を送ろう。



――








――――【Welcome To The Dungeon!】









――――――――――――――――――


【★あとがき★】


少しでも「面白かった!」「完結お疲れ様!」そう思っていただけましたら。


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なにとぞ、よろしくお願いいたします。



新連載です↓

https://kakuyomu.jp/works/16816700428834801481

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