Fairy Wars〜死地に舞う妖精、駆ける円卓の騎士〜
@mijinkoboru
第1話 ピクシー
時は西暦2003年、世界は1940年ごろから始まった世界中を巻き込んだ第1次世界大戦の余波を残しながら西暦2000年の夏、第2次世界大戦、少し訳知りなものは妖精戦争と呼ばれる大戦争が起こる。
日本特有の8月の目の眩むような暑さの中、
横須賀のアスファルトの滑走路の上に10体の20メートルはある巨人を彷彿とさせる物体が直立している。そして高速で敵陣を翔ぶ姿から『妖精』と呼ばれている。そしてこの横須賀にある妖精の名は
95式人型汎用機動兵器
と呼ばれている。
頭部は目に値するところがゴーグルで守られ少し長めと短めのロッドアンテナの2本ある
シンプルな構造となっている。
全体としては甲冑を着込んだ武者を彷彿とさせる。機体には骨となる基礎フレームがあり、機体の装甲が破損した場合にはパージすることもできる。
そして高速で敵陣を翔ぶ姿から
『妖精』と呼ばれている。
この10機の95式は霧島隊と呼ばれている。
活動拠点は横須賀空軍基地としており、専属の輸送機を3機使用できる権限がある。肩の部分にエンブレムがあり、孤島に霧がかかっているエンブレムだ。
今は、戦時下である。現在アメリカ領に対して大規模侵攻作戦が着々と準備されている。そんな時に本土の領空にアメリカ軍の戦闘機が侵入したとのの報告が入った。
霧島隊隊長の霧島亮介はコックピットの中にいた。
「全く、領空侵犯とは。敵さんも焦ってるようだ。各機、相手は2機だそうだが油断するなよ!」
『了解!』
背部のボックスタイプのスラスターユニットが高音を唸らせる。
「霧島隊、出る!」10機の95式は空高く舞い上がった。
「目標地点まで残り100000、各機、武装の使用準備」
右手のマニュピレーターには0式150ミリ機関銃を携帯している。
武装のチェックをしている最中僚機から
『敵機、高速でこちらに接近!接触まで残り
200セカンド!』
おかしい。相手は戦闘機。にもかかわらずこの速さはなんだ?
ふと脳裏に一つの考えがよぎる。
「まさか、あり得るのか!?全機散開!
急上昇!」
9機は上昇することができたが1機で遅れた。その直後、黒い物体がその機体の横を掠めていった後にその95式は爆散した。
95式を破壊したやつ、そいつは・・・
我々と同じ人型汎用機動兵器、肩にアーサー王をモチーフにしたと思われるエンブレム、頭部はゴーグルがなく2つの赤い切れ目、
長いロッドアンテナが左右に各2本ずつ、
背中は翼のようなバインダーが2枚、
右手に長銃身のライフル、
左手には細長いシールドを装備している。
それが2機、空中に浮遊していた。
「くそったれ!こんなとこにも円卓の騎士がいるのかい!各機攻撃より回避を優先!
アタッカーは俺がやる。」
その命令と共に残る8機は散開しつつ敵の行動パターンを探る。
そして霧島は無線をオープンにして
「お相手願おうか、円卓の騎士!」
そして0式機関銃を投棄して腰に携帯していた
00式近接格闘用太刀を両手で握った。
『・・・分かった。こちらもそれに倣うのが作法というもの。』
向こうの1機はそれに応じ、ライフルを捨て、シールドにしまっていたロングソードを
抜き放った。
「参る」『見敵必殺』
高速で両機はぶつかり合った。
霧島の機体は隊長機用に各部のリミッターを解除している。しかしながらそれでも互角の戦いとなった。円卓の騎士はどうやらかなりの腕前らしい。何度目かの攻撃を繰り返したのち霧島機の左腕がロングソードの餌食となり切り落とされた。
それと同時に円卓の騎士の機体もロングソードと盾が破損した。
「・・・潮時だな」
『ああ、そうだな。我が名は
アーサー・ジャクソン。アーサー王の名を受け継ぐもの。そして円卓の騎士、1番機だ。貴官の名を聞こう。』
「俺は霧島亮介。貴様を殺すものの名だ。」
『キリシマ、貴官の部隊はこれからピクシー隊と名乗るといい。』
「ピクシーか、いい名だな。ありがたく頂戴する。」
そして円卓の騎士達は去っていった。
霧島隊、改名してピクシー隊は横須賀空軍基地に戻っていった。
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