走れガタンゴトン(1355)

一番上に京急の車両ガイドがでてきた


電車って回っているか

始まっているか終わっているか

深夜、深く深く

常に動いている

人がいて動かしている

車輪の擦り切れは

人生みたいなもの

どれだけの人を動かして

どれだけの人を留めて

今日も高音と揺らめきに左右される

秒刻みの時刻表は

どうみても人の人生じゃなかった

それでも人が動かしている

なら、その人たちは秒刻み人生なのか

充実しているのか

嫌々

人を殺せる充実なんて

時たま出会うアナウンス

なにがあっただなんて

ぼかして言う

いつもいっつも

「だれかしんだのかな」なんて

椅子に座りながら思うんだ

摩耗する人生は

赤錆びた車輪が答える

「アナウンス、させてみろよ」

電車を止めた時、

わたしたちは死んでいる

悲しいとは思わない

わたしたちの秒刻み人生は終わっただけだから

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