気づいた時にはよく分からない不可能を可能に変える能力を手に入れていました..
@yamatora92
第1話 終わりと終わり
「お呼びでしょうか、@&!:/ 様」
全体が魔力で満ち、壁という壁には札が貼ってある、そんな所に魔法陣から黒髪の一人の青年が出て頭を垂れる。
「来たか、リシル。今日はお前に頼みがあってな、此処に呼ばせてもらった」
黒いローブで全身を覆い、深くフードを被った人物が青年に向かい、話しかける
「わざわざ此処に私を呼んだという事は....何かあったんですか..?」
「.........嗚呼」
黒ローブは恐怖や怒り不安や憎しみ、そんな全ての負の感情が含まれているような声を発した
「.......」
そんな黒ローブの気配を察知したのかはたまた圧に負けたのかは判断ができないが、なんとなく黙った方がいいと感じる
「リシル、お前には....召喚魔法を行って貰いたい...」
「なっ......!?」
召喚魔法、他世界、又はもう一つの同じ世界から人や物、動物や道具を召喚するこの世界の魔法において最上級の大技である。この大魔法は召喚者の実力に大きく影響し、最悪の場合術者の魔力が途中で尽き死んでしまうことも珍しくない、だが召喚魔法は道具や物、動物を召喚する分にはリスクも少なく、簡易化すれば普通に使える魔法だ。
じゃあ何故そこまで驚く必要があるのか?それは黒ローブが言っている召喚魔法とは物や道具の召喚では無く人の召喚であるからだ。
弱い人間の命は召喚魔法の発動中途絶えてしまう事が多い上に人間の召喚には必ず大きなリスクが掛かる、つまり成功せずに命を失う事になる...かも知れないという事だ。
「お前ほどの魔力量なら召喚は出来るだろう、問題はその後だ..お前は...」
「.......」
その沈黙は数秒だった筈なのに、一年にも十年にも感じられた
「良ければ植物状態、最悪の場合死に至る。」
召喚魔法はそれ程の大魔法なのだ、殆どの者は召喚おろか魔法を構築する事さえ難しい
「.....そういう事ですか..我が国の為に死ね..と?」
「いや、これ程の大魔法だ断ってくれても構わない。そもそも私にはお前を従えさせる程の権力は持ち合わせていない、だから....」
「やります...やらせて下さい...」
言葉を遮って硬い決意と共にそう述べる
「ん.....分かった、では召喚はお前に任せる...」
「任せて下さい...」
「......」
二人とも無言になる、数秒経ちその静寂を断ち切ったのはリシルだった
「では、召喚魔法をする為の準備を致しましょうか召喚をするので有れば早い方がいいでしょう?」
「あ、嗚呼..そうだな。では先に行ってくれ。我も少し準備をしなくてはいけないからな..」
「了解しました。では先に失礼致します...。」
そういうと、親指で中指を少し切り地面に少し血を垂らす、するとリシスは部屋から姿を消した
「.......」
黒ローブはリシスが居なくなった事を確認すると誰にも聞こえぬ様な小さなため息を吐いた
「リシス変わっちゃったな...“私“が王に選ばれた時からだった..本当は引き受けて欲しくなかったなぁ召喚魔法...」
そういうと、彼女はただ静かに一粒の涙を流した
〜後書き〜
いやぁ、描き切ったぁぁぁ!まだ1話だけども...頑張ります..!次回は召喚編!リシス目線も描いていきたい...更新頻度が毎回遅いから非常に申し訳ないけども待っててくれぇ!ではまた次編でお会い致しましょう、んじゃね〜
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