§ 4―8 A計画
〇イヴ・ナンバーズ・ソフィートによる
1.イヴ・ナンバーズ6体による人類への進化の基となる、小型爬虫類への現地遺伝子操作の実施。
イヴ・ナンバーズの6体ベート、ギメル、ダレット、へータ、ヴァヴ、ザインはセルクイユにそれぞれ搭乗し、出発。157日後、当該惑星へ到着。以降、対象生物の捜索・捕獲・セルクイユの調査装置を使用し遺伝子操作を施して受精させる。遺伝子操作内容は、ヒトへの強制進化と、アダム=ニールセスクの遺伝情報の入れ込み。現地起動可能時間である10年程度、できる限り前述の操作を繰り返す。
また、対象惑星の軌道上にそれぞれ観測衛星計6基を設置、起動。以後、この衛星にて惑星表面のより精度の高い情報収集を実行。
2.1による人類進化後の、当計画対象遺伝子をもつ人類への接触・移送の実施
人類進化後、アダム遺伝子の形質が顕著に発現したものへの現地接触。その際、予想される進化後の人類の技術促進を促し、科学発展に伴い、当衛星への対象者の移送のサポート。ヘット、テット、ユッド、ヨッドアリア、ヨッドベート、ヨッドギメルの6体による、計画実行。対象発現者の出現時期による文明レベルの差異が予想されることより、1体ずつ現地派遣。
※当計画は長期にわたるため、不測の事態が発生する可能性がある。その際は、概要2を実施する個体が事態の収拾にあたる。
※計画の進捗管理また計画記録のため、メイン機体(ソフィート)は当艦にてそれに当たる。
〇A計画途中報告
・イヴ・ナンバーズ・ベート A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Aに無事到着。対象哺乳類2万5437匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。現地到着から3827日後、主電源残量不足により計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ギメル A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Bに無事到着。対象哺乳類2万0812匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。現地到着から3014日後、機体損傷に伴い計画続行不能になり、計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ダレット A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Cに無事到着。対象哺乳類2万6799匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。現地到着から3897日後、主電源残量不足により計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヘータ A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Dに無事到着。対象哺乳類1万0510匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。現地到着から802日後、機体損傷に伴い計画続行不能になり、計画報告データ送信後、27日後に起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヴァヴ A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Eに無事到着。対象哺乳類1万8003匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。途中、左腕損傷するが、現地到着から3627日後、主電源残量不足により計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ザイン A計画途中報告
紀元前2億3997万8649年。調査艦ヘセドを出発。157日後、目標惑星軌道上に到着。監視衛星を設置。その後、大気圏突入後、目標地点Fに無事到着。対象哺乳類2万3642匹に遺伝子操作を施した精子を受精させることに成功。現地到着から3806日後、主電源残量不足により計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヘット A計画途中報告
紀元前1億8113万5423年。対象惑星への大質量隕石の軌道予測より接近、衝突の可能性があることより、調査艦ヘセドを出発。152日後、目標宙域に到着。セルクイユに核燃料電池を搭載させ、隕石に衝突。衝突前に計画報告データ送信後、消失。送信データより隕石衝突の実行に成功。隕石の破砕による軌道修正に成功し、対象惑星への衝突を回避。一部、隕石の破片が対象惑星赤道部に衝突し、深刻な環境変化を伴うことになるが、観測衛星より進化途中の目標哺乳類の生存を確認。計画続行可能と判断。
・イヴ・ナンバーズ・テット A計画途中報告
紀元前5万6042年。観測衛星より、遺伝形質が99.95%一致する人類を確認。調査艦ヘセドを出発。158日後、対象惑星北緯32度、東経35度の山間部に到着。到着後24日後に対象に接触。対象名:アルタ。当時30歳。軍事大国ハマムの技術主任。大国間での核エネルギー戦争より、対象惑星の地上部でも60%超が汚染される。その際、対象者死亡。同時期に当機も重大な損傷を受ける。その後、計画報告データの送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ユッド A計画途中報告
紀元前4万2176年。観測衛星より、遺伝形質が99.94%一致する人類を確認。調査艦ヘセドを出発。159日後、対象惑星南緯30度、東経60度の砂漠地帯に到着。到着後56日後に対象に接触。対象名:アニス。当時32歳。レムリア王国の技術開発局局長。地殻変動装置による大陸沈没。その際、対象者死亡。その後、対象者の子供を連れ、北半球の放射能汚染の少ない村落で、2179日、対象者の子供とともに過ごし、主電源残量不足により計画報告データ送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヨッドアリア A計画途中報告
紀元前2万5921年。観測衛星より、遺伝形質が99.97%一致する人類を確認。調査艦ヘセドを出発。158日後、対象惑星南緯7度、西経108度の森林地帯に到着。到着後35日後に対象に接触。対象名:アミル。当時29歳。アトランティス大陸西方都市キルマールの聖騎兵部隊長。東西大国間の戦争により、対象者死亡。その際、対象者を守ろうとし、システムをオーバーロードさせる。機能停止前に計画報告データの送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヨッドベート A計画途中報告
紀元前2879年。観測衛星より、遺伝形質が99.96%一致する人類を確認。調査艦ヘセドを出発。158日後、対象惑星北緯29度、東経31度の砂漠地帯に到着。到着後73日後に対象に接触。対象名:アファム。当時35歳。神国フィラルナの若き王。北方の侵攻軍との軍事衝突時に対象者死亡。その際に損傷。その後、対象者の埋葬場所で2012日間過ごし、計画報告データの送信後、起動停止。
・イヴ・ナンバーズ・ヨッドギメル A計画途中報告
西暦2029年。観測衛星より、遺伝形質が99.99%一致する人類を確認。調査艦ヘセドを出発。158日後、対象惑星北緯37度、東経140度の森林地帯に到着。到着後51日後に対象に接触。対象名:建早アキト。当時23歳。小さな島国の学生。対象者が通う教育機関内にて損傷。計画報告データ送信後、起動停止。
301年後、同機体から微弱な通信を数度受信。しかし、データ等無し。
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