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 僕、金坂泰生(かねさかやすたか)は今年の4月から中学生となり、私立神沼中学に進学した。この私立神沼中学校は、生徒の自主性を思いやる校風であり、授業形態はオンライン、オンデマンド、対面の3つから選択できるという特徴が話題となって、毎年受験する人が多いんだそうな。この中学校には幼なじみの蒼月秀歌、星宮天音の2人も通っている。

「ね〜、泰生この問題わかる?」

 この話しかけてきた子は秀歌。秀歌は名前の通り歌がとても上手く、アイドル志望でー

「ちょっと!話聞いてるの?泰生!」

 うぉっ、て秀歌か。校庭の桜を見てて気が付かなかった……。

「ごめん、外見てた。どうした?」

「この問題が分からないの」

 と問題を机の上に置いた。

 問題を見てみると、あと一歩のところまで来ていた。

「この問題は……Xについて解くから、Xについての方程式も解かないとね」

「あーなるほど、ありがとう!」

 と言って自分の席にプリントを置きに行った。

 すると、向こうから無表情で歩いてくるもう1人の幼なじみの星宮天音が歩いてきた。彼女はピアノがとても上手く、海外での演奏経験がある。そして、驚くことに、彼女の両親もピアノが上手く、海外のピアノを演奏する人たちには知らない人はいないほどだ。

「おはよ」

 と挨拶をしてきたので、僕も

「おはよう」

 と返す。これが小学校からの朝のルーティーンだ。

 そうするとチャイムがなり、担任の先生が教室に入ってくる。名前は花乃鏡子(かのきょうこ)。年齢を聞くと無表情になり、セクハラですか?と社会の先生に詰め寄っているところを見たことがある。そういう情報を思い出していると、

「明日からゴールデンウィークです!しっかりと今日1日過ごしましょう!」

 と冒頭で喋り、連絡事項を掲示板に書き込み、各自見ておいてねとだけ指示し、教室を出ていく。


 授業を6時間受けて、放課後。掃除が終わり、教室に行くと、幼なじみ2人が話していた。

「どこかゴールデンウィーク中に行くの?」

 と秀歌が天音に聞く。天音が、

「コンサート。母のを見に行く。お土産、期待してて。」

「僕の分も買ってきてくれるの?」

 と冗談ぽく聞いてみると、

「うん。期待してて」

 と言ったので、ありがとうと返す。

「ところで、天音はコンサートに行くって言ってたよな?どこの国?」

 疑問に思い聞いてみると、

「日本だよ。鹿児島。」

 すると秀歌が、

「鹿児島!?私も!どこかで会えたら声かけてね!」

 秀歌は天音と指切りげんまんみたいなことをしていた。

 すると秀歌が唐突に、

「ところで泰生、あんたは何処かに旅行行く用事とかあるの?」

 と聞いてきたため、

「妹の誕生日にハッピーパークに行く予定。それ以外は稽古かな?」

 と言うと、秀歌と天音は渋い顔をしていた。

「稽古毎日楽しい?」

 と同時に聞いてきたため、

「妹を守るために頑張るって決めたからね」

 と言うと、まぁ、死なない程度に頑張ってね!的な励ましの声をかけてくれた。



後書き

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