おばあちゃんが亡くなって、そして事件が起こる
タツカワ ハル
表裏一体
最後の追い上げとばかりにミンミンゼミが盛んに鳴く季節になった。
高校を中退してから早くも二年が経った事になる。
その間、昼に起きて深夜までオンラインゲームをする毎日の繰り返し。
特に親友もいないから、これといって外に出る用事もなく、ただ単に生きて死ぬまで暇を食い潰す。
僕は世間で言う引きこもりだ。
しかし、今日だけは違う。
おばあちゃんの葬式が執り行われる今日だけは。
引きこもってからというもの、親族は僕の関わる人間関係の全て。
その中で一番好きだったおばあちゃん。
僕の異状に真っ先に気がついて休むことを教えてくれた人。
当時、自身がどれだけ救われたことか知れない。
最期に『ありがとう』の五文字も言えず、いきなり彼女は心臓病で倒れて亡くなった。
87歳のことだった。
部屋のドア越しに母から聞いた訃報の知らせ。
その時の喪失感は、四日の時を経て、さっきようやく飲み込み。
ガタついたドアをこじ開けて、部屋の外へ恐る恐る出る。
音を立てずに階段を下り。
降りてすぐの玄関で僕と家族は運悪く鉢合わせた。
父と母と妹と僕。
玄関は狭くて、互いの距離が近くなるから、ちょっとした不快感に苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。
久々の家族はみんな歳を重ねて変わり果て、どこかしら表情が暗い。
葬式に行くのだから当たり前だけど、それを抜かしても彼らは精気を吸われたようだった。
引きこもっていたはずの僕の方が多分生き生きしている。
「・・・・」
「・・・・」
無言が続くのが耐えられず、元気よく「おはよう」って挨拶をすると、母は「うん」とだけ返事を返す。
僕はわざと目を合わせて、堂々と胸を張った。
今でも両親のことは挨拶したくないほど憎いけど、そういう時こそ前を向く。
今は亡きおばあちゃんにそう教わったから。
だから、母にすぐ視線を逸らされた時、まだ僕に対してのわだかまりがあることを知った。
でも僕が自分の足で部屋から出てきたことが余程嬉しかったのだろう。
車に乗ってしばらくすると鼻歌を歌い始めた。
古い恋愛の曲。
確か『それでも私を愛して』という名前だったと思う。
成り行きで隣に座った妹は窓の外ばかり眺めている。
色々と募る話があると思っていたけど、それは僕の方だけだったらしい。
ふと窓に映る妹と目があって、反射的にニッコリと返すけれど、反対に「こっちみんなキモい」と言われてしまった。
なるほど、妹は今だって僕を軽蔑しているらしい。
僕も少し前までは自分の置かれた状況を最悪だと決めつけていた。
これで人生終わったなと。
価値のない人間だと自分を卑下してた。
でもそんなことはないと教えてくれたおばあちゃんが心の中にいるから、そんな妹の塩対応も気にはしない。
目的地に着いたらしいので、車から降りた。
久々に外に出ると自然の雄大さに感動してしまう。
幻想的に澄んだ青空。
そして、生暖かい風に吹かれて揺れる葉の音。
森の中の砂利道を歩いて最後尾でついて行くと古いお寺に着いた。
早朝だから参列者はまだいない。
でも葬式の準備は整っているようで、まず先におばあちゃんの所に案内された。
棺桶の観音開きの窓から痩せ細って小さくなった顔が見える。
花に囲まれながらスヤスヤ眠っているよう。
でも血色の悪さからもう死んでしまったとわかる。
おとぎ話の眠り姫。
きっとおばあちゃんは向こうの世界でもおじいちゃんと仲良く暮らしているだろう。
悲しみはここにくる前に飲み込んだと思ったのに気づけば涙が頬を伝っていた。
おばあちゃんは空っぽのまま、重要な魂だけが抜け落ちている。
それはよくわからぬ恐怖だった。
嗚咽で口に手を当てながら咳き込み、おばあちゃんから目を逸らしそうになって、グッと我慢。
この光景は嫌でも脳裏に焼き付けておかなければならない。
この後、火葬し、灰になってその姿を二度と拝むことはできない。
できるならその頬に触れたいとさえ思ったけど、お坊さんにすんでのところで止められる。
そして、僕の小刻みに震えた手に、母が花がらのハンカチを手渡した。
「そのハンカチはあなたが持っていていいわ」
涙の形に少し湿っている布。
母もここに来る前に泣いていたのだろうか。
今、家族の中で泣いているのは僕だけのようだった。
父と母は長い間、仏様に祈るように手を合わせて、妹といえばもう葬式に興味を無くしたのか、後ろの方でスマホをいじっている。
そして、数分後。
父は決意したように僕を見据えた。
「この際だが話しておきたいことがある。ついてきてくれないか」
このタイミングで何を話すことがあると言うのだろうか。
もう胸は悲しみで一杯だっていうのに。
いつも無口な父が誘ってきたことに驚き、同時に何か嫌な予感がする。
どうせ、この期に及んで社会復帰しろとか言うのだろう。
拒否しようと思ったけれど「新鮮な空気を吸っておいで」と続けて母が言うものだから、気分転換も兼ねて、仕方なく行くことにした。
妹は敷居の柱にもたれるように立って、スマホの画面に見入っている。
僕は完全に油断していた。
すれ違いざまに足を引っ掛けられて、前のめりになって転倒。
「キモい」と言うと妹は嘲笑いながら廊下の奥の方へ逃げる。
板で顔面を強打して、鼻からポタポタ、血の雫が床に流れ落ちた。
涙のように一滴、一滴。
二年前、親に向けた殺意と同じようなものが沸き起こり、初めて妹を殴りたい衝動に駆られた。
しかし、追いかけようとすると、その腕を父に掴まれる。
「放せよ!」
気づけば声を荒げて、キリッと睨んでいた。
悲しいかな、引きこもって以来、互いの目をしっかりと見たのはこれが始めて。
本気で振りほどこうとしても父は頑なに離そうとしない。
「すまん。ミカも心の整理が追いついていないんだ。許してやってくれ」
妹が悪いとわかっているのに、咎める様子もない。
これが引きこもりと優等生の態度の差なのだろうか。
文句を言いたいのに、慣れてないせいで本音が言えない。
その時、僕は不甲斐なさを身に染みて感じた。
止血後。
釈然としない想いを抱えながら、お寺の脇道を通り、さらに奥へ奥へと進む。
庭園を超えて、墓地を超えて、森の中。
道の脇にところどころ彼岸花が咲いている。
前を歩く父の背中は猫背で、あまりに弱々しく写った。
会社に来ていくスーツは二年前のモノと変わらず。
もうくたびれて、色あせている。
そこには中学三年の時に僕が間違えてつけた黄色い油絵具の跡も残っていた。
チクリと心に針が刺ささる。
部屋でゲームしかしていない僕は、苦労して稼いでいる父に向ける顔なんてない。
のうのうと生きてきた自分が急に恥ずかしくなった。
今まで何をしていたのか。
何の資格も経験も持ち合わせていない自分がとても怖い。
気づけば小さな声で「ごめん」と謝り、軽く頭を下げていた。
視線の先には地面に動く影。
列を作るアリたちは言わずもがな働く。
それが何故か気に触って、思わず顔をあげ。
振り向いた父の瞳には何かしらの葛藤がみてとれた。
動揺するといつもポケットにあるタバコの箱に触れる。
「お前も吸うか?」
「僕はまだギリギリ19歳だよ。それにタバコは寿命を縮める」
父は残念そうに「そうか」と言うとタバコに火をつけて煙を空に舞い上げた。
流動的な煙、おばあちゃんもこんな風に天国に行くのかな。
それからしばらくして、やっと父は重い口を開く。
「いくら『ごめん』と謝っても過去は変えられない。いいか。俺もお前ももう引き返すことなんてできないんだ」
何となく彼の言いたいことがわかった。
「つまり未来は変えられるから頑張れってことが言いたいんでしょ」
「ああ、でもなそのためには犠牲が必要だ」
「犠牲?」
ここまでいうと父は黙って、三本目のタバコを満喫する。
その手は震えて、眉間には皺が寄っていた。
怒っているのか、僕を励まそうとしているのかその真意はわからない。
カナカナカナ
早朝でもひぐらしは鳴くらしく、その音だけで幾分か涼しく感じる。
それに幻聴なのか波の音が聞こえ、少し開けた場所に出た。
崖。
下は海。
目線の遥か先には太陽が水面に反射して紅く煌めく。
気がつけば朝焼けに染まった雲に数十秒間見とれていた。
すると、肩を叩かれて「まあ、座れ」と近くにあった木の椅子とテーブルに促される。
父はタバコを携帯の灰皿に入れ、横がけ鞄をゴソゴソ。
ポンといい音がしたと思ったら、水筒からコップに水が注がれて。
喉が渇いていたから「もらうね」と言ってそれを引ったくって、ゴクゴク飲んだ。
冷たくて気持ちが良い。
天国にいるみたい。
少し苦いスポーツドリンクの味。
きっと溶く粉の分量を間違えたのだろう。
父らしい。
「この風景を一度見てもらいたかったんだ。おばあちゃんのお気に入りの場所だったから」
「おばあちゃんはこんな山奥によくきてたの?」
「違う。ここがあまりに綺麗だったから写真を撮って送ってあげたんだ。そしたらいたく気に入ったみたいでね。お前と一緒に見に行きたいって言ってたけど、これで願いは叶ったかな」
なるほど、だから葬式の会場をこんな辺鄙な森の中にしたのか。
ゆったりとした時の流れを感じる。
絶景をもう少し味わいたいけど、そろそろ帰りたくなった。
僕はこの光景を見るより、おばあちゃんに最後の最後まで寄り添っていたい。
その旨を伝えても、父は帰る気がないようで木の葉の上に寝転んでしまう。
もうスーツは汚れているから、ホコリが付こうと一向に構わないらしい。
一人で戻ろうとした僕を引き止めるように父は言う。
「一つ聞きたいことがある。お前の人生は幸せか?」
質問にしては随分と堅苦しい。
答える道理はないけれど、いざ考えてみるとすぐに「うん」と言えない自分がいた。
でも結局、幸せかなんてその人がどう思うか。
答えに迷う。
そして、ある芸術家の言葉をふと思い出す。
『絵は光と影。黒を濃くすれば白は一層際立つ』
要するに人生のどん底に落ちれば、反対に人生の輝きは強くなる。
とするならば、僕はとても運がいい。
挫折なんて味わいたくて味わえるものではない。
「多分僕は不幸せさ」
それでも幸せなんかに興味がなかったし、現状に満足していなかった。
それなのに行動しない僕はとても愚かで不幸だ。
それを聞いた父はテーブルに座り、軽く何度も頷く。
不思議と僕の視界は相槌のリズムで揺れていた。
急に吐き気がして、目の前が真っ青な点に覆われて倒れる。
口がパクパク動くだけで、声は出ない恐怖。
這いずり、手を一生懸命に父の方へ伸ばし、そして踏みつけられた。
「あるところにごく普通の家族がいた。彼らはとても幸せだった。でもそれが崩れるのは一瞬の事。長男は学校に馴染めなくて引きこもり。長女は勉強が人一倍できたせいでいじめられた。そしてそれを知った母は精神がおかしくなり鬱状態に。父はそれでも、家族のために必死に仕事をした。でも言い渡されたのは『クビ』。家族は路頭に迷った」
言い終わると父は口角を上げて優しそうに微笑む。
ゾッと寒気がして、脳がフル回転をして、あることに気づく。
スポーツ飲料にあらかじめ何か薬品を混ぜていたのだろう。
体全体に力が入らない。
僕は片足を持たれて、仰向けに引きづられる。
ゴツゴツした石が後頭部に当たって痛い。
体を総動員して暴れても、赤子の手を捻るように軽々と崖の先端へ。
頭のはるか下は海。
「父さんが何をしてるのかわからない」
絞り出した声は掠れ、震えていた。
「今からお前をここから落とす。もう頑張らなくていいんだ。ずっと家にいて辛かっただろ。今、父さんが楽にしてあげるからな」
海を背に僕を崖っ縁に座らせ、スーツを掴みながらゆっくりと押し倒される。
父の胸ぐらを掴んで反抗しても、弱々しくて簡単に引き剥がされてしまう。
このまま死ぬのかなぁ。
ふと浮かぶ諦めの心。
その時、シワシワな硬い皮膚の感触がした。
誰かが落ちないように体をそっと手で支えてくれているよう。
「まだこっちに来ちゃ駄目よタイちゃん、諦めないで」
おばあちゃんが使う僕の呼び名。
タイキだからタイちゃん。
耳元で優しい声がしたと同時にハッと我に帰る。
僕は生きたい。
人生で何もできぬまま最期を迎えるなんて、そんなの不幸すぎる。
どうせならもっと人の役に立って死にたかった。
だから僕は「助けて!」って強く叫んだんだ。
弱々しくて情けない『助けて』。
二年前、一言も口にできなかった『助けて』。
僕は持っている全ての力を使って頭突きをした。
「グワッ」
父は後ろにのけぞって倒れると数秒間は動かない。
仰向けになりながら、ケラケラ笑っているようだった。
「そうか。父さんの言うことが聞けないか。今までこんな無能に金をやって、育ててきたのが全くの間違いだったな」
そしてムクリと起き上がると、地面を這う僕の腹を思いっきり何度も蹴飛ばす。
心と体、どちらも痛くて涙が出そう。
でも不思議と自分が死ぬより、おばあちゃんが亡くなった方が悲しいと思った。
だからこんなのはどうってことはない。
僕は負けないし、最期まで争ってみせる。
「何だその反抗的な目は!」
ポケットからナイフが取り出されても、僕は冷静沈着。
体が動かせずとも最期まで反撃の手段を模索する。
そして、父が馬乗りになって、ナイフを高らかに振り上げた。
「どうせ海に落ちたら跡形もなくなるんだ。先に殺してやるよ!」
父が勝ち誇ったように笑っても、不思議と自分が死ぬ感覚は一切しなかった。
「僕はさ、不幸だって生きるし。どんなに最悪な事が起こっても自暴自棄になったりしない。おばあちゃんに教わったんだ。生きてればどうにかなるって。なんなら逃げたっていい。だって僕は誰がなんと言おうと良くやってるから。だから、ありがとね父さんと母さん。僕を産んでここまで育ててくれて」
父さんは泣きながらナイフを振り下ろした。
肉の裂ける嫌な音。
すぐに波の音にさらわれて。
気づくと僕に痛みはなく、目の前には母さんの手があった。
ナイフが貫通して、そこで止まっている。
少量の血が僕のスーツに垂れた。
「もう、やめましょう」
母がもう片方の手を父の肩に置くと、力が抜けたように座り込む。
そして、その手が今度は僕の頬に触れる。
「『ごめんなさい』今の私にはこれしか言えないわ」
「どうしてこんなことをしたの?」
母さんはここに来てからずっと遠くの木影で僕を見ていた。
自分の息子が殺されかけていてもずっと見ていた。
つまりは父とグルって事でしょう。
両親そろって僕を亡き者にしようとしてた。
「・・・・」
「そんなに僕は出来損ないでしたか」
「いいえ」
「でも貴方達にとって僕は不要だった」
「いいえ、必要だったわ」
「ならどうして!」
母は観念したように俯く。
「実はウチにはね。多額の借金があるの。父の会社がクビになって、生活するために闇金に手を出したから」
「つまり僕に多額の保険金が掛けられている」
「いいえ。ちゃんと話すわ。おばあちゃんが亡くなって、多額の相続金が貰えるはずだったの。でも遺言書には全額を貴方に相続すると書いてあった」
「・・・・」
「おかしいわよね。今まで働きもせずのうのうと暮らしてきた貴方にお金が入るなんて。どんなに頑張っても報われない私達がバカみたい。だからどうしても貴方が許せなかった。だから、殺して相続金を奪うことにしたの」
相続金があるなんて、知らなかったし、知らされてなかった。
殺人未遂を許すことは出来ないけれど、理解出来る部分は少なからずある。
両親が汗水垂らして働いたお金を僕はエアコンの効いた部屋で消費する。
いわば金食い虫。
それなのに僕がお金持ちになって、さぞ両親のプライドが傷つけられたことだろう。
体が動くようになると、それ以上話を聞きたくなくて僕は崖から遠ざかった。
父と母から早く逃げたい。
家族が捕まるのは嫌だけど、二人の精神面が心配だから警察に通報する。
電話しようとしたけど、いつの間にかポケットのスマホは壊れていて。
仕方なく、親のスマホを借りようと振り向く。
そこには誰もいなかった。
今まで誰もいなかったみたいに。
ただその景色は、死とは無縁な程に綺麗で、波が打ち付ける音だけが鳴り響いていた。
心が麻痺しているようで、森の中を歩いても何も感じない。
可もなく不可もない夢心地の気分。
寺に入る途中、墓地の前で妹が待っていた。
「蚊に刺されてまじ最悪。やっと帰ってきたし。あれ? ママとパパは?」
「俺さ働くから」
「えっ、いきなり何キモイんですけど。さてはママとパパにこっぴどく叱られたんでしょ。だから、あの時私を追えば良かったのに。そのためにわざわざ足を引っ掛けてあげたんだから。まぁ、顔面からいくと思わなかったけど・・・・」
「あの時、大量の鼻血がでたんだからな。許さんぞ!」
冗談ぽく言ってみると、妹はウキウキしながら逃げた。
「キャー!」
「待てー」
今だけは辛い気持ちでいて欲しくない。
妹には笑っていて欲しかった。
もう俺達には最寄りの親族もいない。
二人で支え合って生きるしかないんだ。
葬儀が始まる前に俺は警察を呼んで事情をはなす。
それから聴取が続き、終わって夜遅くに警察が自宅まで送ってくれた。
そして、暗くなったリビングに電気をつけて、ソファーで妹と一緒に夜通し泣いた。
両親の遺体は1ヶ月を過ぎても見つからず。
俺はまた黒いスーツを着て、葬式場に出かける。
今度はネクタイをキュッと引き締めて、もう涙が上がって来ないようにした。
あれから事件性が浮上して、おばあちゃんの司法解剖が行われ。
結果、死因は薬物による他殺と判明。
犯人は母だった。
机の引き出しに懺悔の手紙と証拠の薬物が残っていたらしい。
『家族のために祖母を殺し、息子の尊厳のために人生を終わらせる』
この事件で唯一良かったこともある。
「ミカ、そろそろ遅れるぞ!」
「あーわかってるってタイキ」
ドンドン音がして、ミカが2階から忙しない足取りで降りてくる。
そして、玄関で待っている俺に顔を近づけるやいなや「今日も可愛い?」といたづらっぽく笑った。
「70点もう一押しだな」
「えー、そうなんだ。じゃあこうしてやる」
ピッタリ俺に寄り添って、恋人繋ぎ。
「おいおい、俺たち兄妹なんだぞ」
「なんか言われたらちゃんと言うから。事実無根ですって」
「お前、それこの前『無』を言い忘れてただろ。お陰で誤解されたんだからな」
今日も今日とて生きていく。
意味なんて見出さない。
ただ最近、仕事も生活も充実して、ただただ楽しい。
来世はもう一度、自分に生まれ変わりたいと思うくらいに。
おばあちゃんが亡くなって、そして事件が起こる タツカワ ハル @tatekawa-seiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます