第15話 魂と心臓
霊道で、僕が吸い込んでしまった穢れを現世の人に対して使うと、過去の後悔が、強制的に脳から引き出される。
人は、そんなに強くないので、過去に耐えられず、たいてい失神する。
死神自身は、僕の中に隠れている。
人間になりたいという思いを持つ死神は、より上位の神に、存在自体を消される。
死神は、神といっても 簡単に、浄化分解され再構成される気の毒な存在だ。
この死神は、人間になろうとしている事が、見つかる前に隠れるという、賢い選択をした。
最近の僕は、少し死神の影響を受け始めてているのか、やや、行動が荒っぽい。
亜香里ちゃんのために、死神自身が、回収した命をひとつ提供させる事を条件に、彼の希望を叶えるため、協力をする事に決めた。
亜香里ちゃんの魂と心臓は、死神が見つからないところに隠したそうだ。
僕は、亜香里ちゃんを確かに、極楽に送り届けた。
しかし、あの時の天使は、試験運転だということで、彼女の魂は、死神に返品されている。
タクシーは、もちろん僕が作った。しかし、その材料は、エンジンを死神の大鎌で、ボディをマントで作っている。
本当は、極楽タクシーではなく、死神タクシーの呼び名が、正しい。
スマホが、震えた。
病院長の名前があった。
第4のお客は、
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