どっちつかずの幸せの中
薄暗い部屋の中で
貴方の
微かな息遣いが聞こえる
あたしは
どうか
この鼓動が届きませんようにと
息を止めて、思う
あたしの耳の近くにある
貴方の口元から
優しいため息がこぼれる
貴方が
少しだけ
あたしを抱きしめる腕に力を入れた
貴方の胸に額を寄せて
今この時が
永遠に続いて欲しいような
眠れなさそうで
早く起き出す時がきて欲しいような
どっちつかずの
幸せの中
貴方の
その口唇も
素直そうな頬も
優しい指も
もう
全て知ってしまったけれど
あたしは
それら全部に
まだ
慣れることができなくて
抱きしめられると
まだ
体を固くしてしまう
貴方はそれすらも
優しく包んでくれるけれど
たぶん今夜もあたしは眠れない
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