これは青春ラブコメです。.....ですが俺は何ら関係が無いです。所謂.....部外者ですので。

アキノリ@pokkey11.1

青春とはその読み方を(クソ)という

見知らぬ美少女にお金を貸してからの俺の日常

第1話 ラブコメが絶対に起きるとは限らない

青春とは端的に考えても何だろうか、と思ってしまう。

その全てを恋の事を指しているのだろうか?

だとするなら答えはバッドだな。

本当に最悪としか言いようがない。


俺は.....そのラブコメとは縁の無い論外という事だから、だ。

石の上にも3年しても.....何も起こらない状況だしな。

その理由は努力が足りないとかじゃない。


性格的にも容姿的にも。

全てで青春ラブコメの一滴も味わえない人間で産まれてしまったのだ。

だけど両親を恨んでいる訳じゃない。


両親には感謝しかない。

だってそうだろ。

こんな俺でも産んでくれたんだから。


だけど.....うーん。

この様な性格に産んでしまったのは多少恨みはあるかもしれない。

それなりに根暗な性格に、だ。

その為。


先ず幼馴染に美少女は居ない。

先ず俺に友人は居ない。

先ず女性の知り合いすらも居ない。


現実がはっきりと見えてくる。

恋する努力は疲れて何時の間にか止めてしまった。

全くな、と思える様な感じだ。


母さんぐらいしか居ない。

女性の知り合いは。

そんなつまらなすぎる人生を送っているのが俺、田中凛花(たなかりんか)17歳。


女性だと思ったそこら辺の諸君は残念でしたねぇ。

俺は本当にモテないそこらのキモオタなんです。

顔立ちもイマイチな感じのクソ黒縁メガネ野郎です。

つまり簡単にひっくるめるとマジ卍って所かな。

自分で言ってなんだけど死語かハハハ。


まあ自虐している名前を見て分かるかもしれない。

簡単にいえばこれで俺はイジられる事もあったが今では逆に無視されている。

気持ち悪がられているのだ。

リア充とかに、である。

何故か。


どうやら学校で読んでいた萌え萌え小説がバレてこの有様の様だ。

まあ無視されているし逆にそれが俺にとっては有難い。

何故かと言えばリア充に話し掛けれられるのも嫌いだったしな。

良かったよ本当に。


まあつまり今までの分を纏めて言うと先ず俺の周りでラブコメは絶対に起こらないのである。

だけどその.....何だろうな。

俺の周りには盛りに盛った奴らが沢山居て....困る。


アオハルし過ぎてウザい。

本当に青春を過ごしまくっている馬鹿たれが沢山なのだ。

勘弁してくれよマジに、って感じだ。


「ねえねえ。たくやー。今日、パフェ食べに行かない?」


「そうだなぁ。じゃあ放課後な」


「今日お弁当作ってきたの。一緒に食べよ?」


「いいぜ。アハハ。んじゃまたアーンしてくれよ」


イライライライラ。

イチャイチャイチャイチャ。

こんな感じで破茶滅茶の滅茶苦茶である。

俺は盛大に溜息を吐きながら.....あまりにもウザ過ぎるその空間から逃れる様に自前の水筒を持ってその場を後にする。

立ち上がってから、だ。


今は中休み。

外の中庭に行ってお茶を飲もう。

因みに俺の通っている高島高校には一応、売店とか有るが。


俺はそんなものはあまり利用しない.....って言うか利用出来ない。

ボッチにはキツいものがあるのだ。

分かるだろ?

それにこのままクラスに帰ってもキツいのだが。

席は乗っ取られているだろうしな。


「.....教室を空けるのも.....まあキツいんだけどな。でも.....あんなイライラするものを見せられるよりかはマシか」


それから俺は中庭に静かにやって来た。

そして3階建ての建物の中央辺りの中庭の石段の階段に腰掛ける。

風を感じながら.....俺は、ふう、と溜息を吐く。

そうしてから外に目を向ける。

良い感じの晴れ晴れな感じだな。


「.....ハハハ。お茶が美味い」


皮肉の言い方だなこれでは。

こんな感じでイチャイチャとか青春から逃げる様に過ごす様な俺の日々だったが。

俺の人生は町外れの本屋に行って変わってしまう。


何が変わったかって?

そうだな.....説明がし辛いんだが.....うん。

とにかく変わってしまった。

人生の航路が、だ。



「この前発売された新しいラノベ.....は、と」


俺は考えつつ歩く。

そして俺は町外れの本屋に来た。

何故町外れとか馬鹿な事をするのか?

察してほしい。

これもボッチ特有だ。


つまり.....俺はラノベを買うのを見られたくないのである。

だから町外れまで歩いて来る。

大体歩いて20分ぐらい.....であるが。

俺は涙を拭いて思いながらラノベを選んでから。

持っている新刊のラノベを買おうと思ってつい視線が.....レジの方に向いた。


「えっと.....その。お金が足りないので.....取置きをしておいてほしいいんですが.....」


「ええ.....!?.....いやいや駄目ですよ。数少ない限定品ですから。払えないのなら他の方にお譲りします」


そんな感じの会話が聞こえてくるではないか。

よく見ると.....俺の学校の制服を着ている女子高生と男子生徒が居る。

俺は?を浮かべながら見ていると。


女子高生も男子高校生も、こんなに高いとは思わなかった、と困惑していた。

どうやら購入に対してお金が足りない様である。

そして迷っている。

特に女子生徒が、だ。


「.....うう.....困ったな.....」


よく見ればラノベの限定品の付属のフィギュア品の様だ。

簡単に言えばそのラノベはもう1冊しかないと書かれている。

俺はじっとその様子を伺うが.....イライラし始めた。

並んでいるってのに。


レジは1個しかない。

つまり.....詰まっているのだ。

助ける気がさらさら無いのだが.....仕方が無いのでそいつらに金を出す事にした。

オイ、と声を掛ける。

そして男子生徒と女子生徒が顔を向けてくる。


「それ5000円なんだろ?.....んじゃほら。5000円貸してやるよ」


「.....え?でも.....」


「君.....確か同じクラスの.....」


「良いから。.....これ貸しな。絶対に返してくれ」


「.....分かった。有難う」


「有難う御座います」


見ず知らずの馬鹿どもに金を渡すとは。

お陰でラノベがあまり買えないではないか。

俺は恨みに思いつつ.....必ず返せよ、と思いながら睨みつつ。


そのままレジの解消の間、ラノベを選んでいると。

先程のかなりの美少女の女子高生がやって来た。

そして頭を下げてくる。


「有難う。.....必ずこのお金は返すね」


「.....まあうん」


「じゃあ.....」


そうして女子高生と男子生徒は俺に挨拶をして去って行った。

俺はその姿を見つめながら。

女子高生と男子生徒の背中を見ていた。

で、この次の日の事だが.....。

予想外の事が起き始める。



「ふあ.....」


取り敢えずの眠気もそこそこに。

翌日も平日だったので俺は歩いて登校する。

それから.....昇降口に行くと。

とんでもない場面に出くわした。

誰かが喧嘩している。


「ねえ!?私達.....その.....付き合ってなかったの!?」


「そういう関係とは思ってなかったよ。俺は。だから後輩と付き合ってたんだ」


「和也のバカ!私.....幼馴染としてずっと.....私.....付き合っているものと思ってたのに!愛していたのに!」


人混みが出来ているからな。

教室行けない。

って言うかその前にすまん。


朝から何を見せられているのだ?俺は。

考えながら俺は.....盛大に溜息を吐く.....いや。

ちょっと待て.....ん?


「.....昨日の.....あの美少女と男子生徒?」


思いながらその2人を見る。

そして、すまない、と美少女の方は振られた様だった。

いや。別にどうでも良いんですがこの際だからお金を返してもらおうかな。

俺は思いつつ.....その少女に、あの、と声を掛ける。

確か里見未玖(さとみみく)だったか?


「里見」


「.....あ。昨日の.....」


「.....その。.....もし良かったらお金.....返してくれる?昨日のお金」


「.....あ、うん。.....えっと。今手持ちが無いの.....ごめんね.....うん.....」


悲しげに言い放った。

そして。本当にごめん。今度返すから、と去って行く。

いやいやいや。ちょっと待て。

非常に困るんだが.....。

いや滅茶苦茶に。


5000円ってかなり大金だしよ。

軽く貸した方も馬鹿だけどさぁ.....。

俺は思いつつ困惑しながらその少女の背後を見ていた。

どうしたら良いのだろうか。


呆れて困ってしまった。

俺の大切な貯金なんだが返して頂きたい。

絶対に、だ。

ラノベ買えない。

セット品買えない!!!!!


本日の残高 −5000円

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