始まり
そう。
突然この話を書こうと思ったのは、昨日、私の精神が一部崩れたからである。
きっと誰も気に留めていない。
分かっているのに気になってしまう。
言わば自意識過剰である。
けれど、この愚痴を吐き出さずにはいられない。
表現の自由だと信じて許してほしい。
突然だが、私はリハビリテーション科で働くセラピストである。
一般的に見て、私は成功か…悪くとも失敗しているという烙印は付けられない位置に属しているだろう。
だが、私はこの仕事に就いたことが人生で最大の失敗を犯したと思っている。
高校生の頃、私はエネルギー関連の研究職に就きたかった。
環境汚染や環境破壊について興味があり、小学校や中学校の頃の自由研究ではその方面の研究を行い優秀賞をもらったこともあった。
行きたい大学に受かるためにパンフレットも取り寄せ、それなりに勉学にも励んでいた。
しかし、親からこのような言葉を告げられた。
「お姉ちゃんが私立の大学に行くことになったから、××を大学に行かせてあげられなくなった。」
左様か。
母が申し訳なさそうに謝る姿に、私は取り繕った。
そう。
私は理解ある良い子だった。
大学に行くのはお金がかかるし、今まで育ててもらった恩もある。
第一に母が私をどれだけ大切に想ってくれているかも知っていたので、私は母が勧めるリハビリの専門学校へと入学することになる。
この時、私の精神の小さな一部が崩れ落ちたとも知らずに。
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