消えたい僕は、今日も彼女と夢をみる

月都七綺

***

 知らなかった。

 花笑はなえむ君が見つめる先に、いつも僕がいたこと。

 気付けなかった。

 君が手を差し伸べてくれていた意味。


 この学校の一番天国に近い場所で、君と僕は出会っていたんだ。


 虹色の雨が降り注ぐ中、強く繋いだ手を思い出した。

 だから今度は、もう間違えないと胸に刻む。


 彼女と生きる時間を取り戻すために。


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