詩集 dissociation smalt
清水ハイネ
1. 浅瀬
ふくらはぎの真ん中まで
押し寄せた海水が
体温を浚っていった
見渡す限りだれもいない
この道行きの終わりに
雲間から落ちる光は
遠く水を反射して波間に沈む
何度、何度も膝を着いては
立ち上がった
もう一度だけ、あと一回だけ
その願いは藻屑になって
踵を返したのは
最早意味すらないからなのだ
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