第31話 悪魔ではない、悪の王だ

『我は最強の悪、ラシャク也。今すぐ跪け英雄よ』


リュウトとラシャクと言う悪魔の重なった声が響く。


「悪魔…だと……」


ガデルはラシャクが悪魔だと思い恐れおののく。


『悪魔?あのような下賎な物と同等にするな。我は悪の王だ‼』


悪の王 ラシャク


それが正体だった。


『近頃の地上世界では、半端な正義が蔓延しておる。我はそんな世界が嫌なのだよ』


ラシャクは続ける。


『故に我は正義を滅ぼす。半端な悪も正義も要らぬ‼我が悪だ!!!!』


『ラシャク、話は終わりだ。とっととやるぞ』


リュウトはそう言う。


『なんのために命を犠牲にしてまでお前を呼び出したと思っている』

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