第18話 天界で神様に英雄を倒してくれと命じられたんだが?

目を瞑っているのに眩しい…

俺はそう感じ目を開けた。


「え?ここどこ。」


そこは雲に近い…いや、“雲の上”にある建物だった。


「俺死んだんだよな?てことは天国?」


「違うのぉ。ここは天国ではない。天界じゃ。」


気付けば後ろにおじいさんが立っていた。

普通のおじいさんではない。白い羽が生え、頭に輪っかが付いている。


「あなたは?」


「儂は『生を司る神』ヴェードボルと言う者じゃ。」


「神様…?」


「如何にも。儂が神様じゃ。」


まさかの神様との対面。俺は何か悪いことをしたのだろうか。


「お主を殺したあ奴は、三英雄の一人『龍盾』のバジルじゃ。」


竜盾…確に龍の顔が彫ってある盾だったな。


「あ奴の防御力はとんでもなく高い。だからお主のステータスでの斬撃も通らなかった。」


「でも英雄が何故人を…?」


俺は気になることを聞いた。


「それはな、今から5000年ほど前の事じゃ。」


神様の話を纏めると、


・三人の強き者に王が『邪神討伐』の命令を下した。

・三人は死にものぐるいで頑張り強くなった。

・そして邪神を倒し王城に戻った。

・だが待っていたのは、邪神をも討ち滅ぼす三人を恐れた貴族たち。

・そして三人は、三人を恐れた貴族たちにより神殿という場所の『封印の間』に封印された。


と言うことらしい。だから三英雄は封印が解け、人間に復讐を始めたらしい。


「…俺ら関係なくね?」


俺や殺された人たちは全く持って無縁じゃん。


「あ奴らからすれば人間が敵なのじゃ。」


「見境ないのかよ。」


「うむ。あ奴らが恨むべき相手はもうこの世にはおらんからのぉ。」


そして三人は『東』、『西』、『南』の3方向から攻めているらしい。

…てかあんな強さのやつがあと二人もいるって考えると無理ゲーじゃねえかよ。


「それで俺はいつ天国か地獄に行くんですか?」


「お主には三英雄を討ち滅ぼして貰う。」


「は?無理無理。」


なんて無理難題を出してくるんだこの神様は。


「倒すとしてもどう倒すんですかね?何か方法でも?」


「あるに決まっておるじゃろう…?」


神様は不気味に笑った。

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