僕と自分達の異世界生活

そこらにいるウナギ

第零世界 世界の狭間

第1話 ある兵器の最後

――地球∶ある荒野


「……あそこか。」


 僕はある敵の施設の破壊を命令されてある程度離れた所に来た。てゆうか、いつものことだけど爆弾持たせて特攻させるっておかしいよなぁ…はぁ……

 うだうだしながら夜更けを待っていると、耳につけたデバイスから通信が入った。


「ねぇ、レイ?」


「んー…?どうしたの…上官」


「こういうときは玲香レイカでしょ?」


「はいはい…それで、何かあったの?上官」


「可愛くないわねぇ…はぁ……」


 毎回思うけどなんで僕に名前で呼ばせようとするんだか…


「これが最後の通信だからね。」


 まぁ、そうだろうね…爆弾一個持たされて行けって言われたらね…


「そんなことか…はぁ……」


「まぁ、君には関係ないか。……ごめんね。」


「上官が気にすることないですよ…どうせ上官が罪を着せられるなら僕のほうが適任ですよ。」


「……そろそろ時間だから準備してね。」


「……りょーかい。」


 僕は爆弾のスイッチを確認しつつ走馬灯のようなことを考えながら敵施設に走り出した。


 僕が13年前。

 極秘施設の中で作られた僕はすぐに戦場に立たされた。何人もの敵を殺した。それしか生きる目的がなかったから。

 上官に出会ったのは5年前。兵器としか扱われてなかった僕に名前と居場所をくれた。そして、この戦争が終結しそうな今。

僕は最後の任務を完遂させる。

上官をこの世界に残すのは嫌だけど。

僕みたいな兵器が上官の足を引っ張るのは嫌だから。


僕は消えよう。


 そして、施設を目前にして敵が気づいたらしい。

 けど、もう遅い。


「さよなら。上官……いや、玲香。幸せにしてくれると僕がいた意味もあるかな?」


 そして、僕は爆風と爆炎に包まれた。

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