第一話 光と闇の戦い、二神戦争

 総ての生き物は創造主であるルシリアとアルマを神と崇め信仰の対象とした。それらの神を崇める事によって文明は急速に発展して行く。特に文明の発達に貢献したのは翼有族であり、次いで類人族と魔人族であった。

 その文明は惑星の衛星にまで飛びたてるほどに発展していた・・・。ある程度の文明が発達し停滞を見せた頃、神が二人存在したのが災いしたのかルシリアを秩序、安定、創造を司る光の女神、アルマを破壊、混沌、再生を司る闇の神とし、崇める神の対象どうしに別れ世界各地で争いが勃発した。

 その戦いは長きに亘り続き多くの血が流れた。大地は穢れ、海は澱み、二神によって創られた多くのモノが荒廃してしまった。しかし、その戦いもある地方の英雄達によって鎮静化し、最終的にアルマを封印する事によって約三百年も続いた争いの決着がついたのである。

 この戦いに終止符が打たれた時、アルマを封印してしまった事と世界が荒廃してしまった事をルシリアは嘆き世界の最北端にあったクレアフィストと言う島に争いに加わらなかった翼有族を招きその島を地上から切り離し高々と天空へ浮遊させた。

 それによりルシリアもまた地上から姿を消す事となった。この時、殆ど争いに加わらなかった龍人族もその島に招かれたのだが彼等は女神ルシリアの行為を断り地上に残る事を決意したのである。龍人族が大地の守護者と呼ばれ始めたのは丁度この頃からだった様だ。

 これにより神創暦一万六千三百年続いた二神が地上にいた時代の歴史の幕が閉じられたのである。そして、それと同時に多くの優れた文化や技術が地に埋もれて行った。


 星の創造と二神戦争の時間の流れは文明が出来たころに伝承として伝わったものであり、実際に去った時流は誰も知ることはない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る