海の

夜の海に父と出かけた

まだ冬の寒さを感じる海辺

黒い波が防波堤の壁にぶつかり

たっぷん ぽよっと 膨れた

それがなんだか面白くて

じっと眺め続けていると…

たっぷん ぽよよ きょろきょろ

一際大きな波が膨れ上がり

まあるい頭はあたりを見てる

思わず父を呼び振り返ると

頭は消えていた


父は夜の錯覚だと言ったが

私はそう、思わない



たっぷん ぽよよ きょろきょろ

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