制限時間終了
ピピーー。
長沢洋子が不機嫌そうな顔で、笛を鳴らした。
「制限時間終了です。残念ながらお二人は私の意向に添ってくれなかったようですね。。とても残念です」
ふぅ。
軽く息をついて言った。
「しかし、村上さんは勇気を持って、川中さんを撃ちました。なので、この勝負は村上さんの勝利とします」
長沢洋子はそう判定した。
「ーー救急車、救急車はまだか?」
「もう着くそうです」
スタッフが答える。
それが視聴者も度肝を抜いた瞬間だった。
長沢洋子はファイルの上で、婚姻届けにサインをする。
そして印鑑を押す。
「村上亮さん、おめでとうございます。あなたの未来は今決まりました。ここからはあなたの選択です」
※
村上亮さん、あなたは今私との結婚という権利を得ました。
ここからはあなたの選択です。
あなたの選ぶべき道は、二つに一つとなります。
「私との結婚」もしくは「独身を貫く」。
村上さんに問います。
「あなたはどちらを選びますか?」
「......」
しばらくの沈黙。
「お...俺は......」
「はい。どうしますか?」
テレビカメラが迷っている村上亮の姿をズームアップで写している。
「俺はあなたとの結婚を選びます。どうか俺と結婚して下さい」
「ステキな選択をしましたね。これからもよろしくお願いします。これから二人で市役所に行きましょう!」
長沢洋子は明るく笑って、村上亮の腕に腕を絡め、テレビカメラを向くと、二人で笑った。
「ーーそんな訳で二人が結婚する事になりました。結婚式の日取りなどが決まったら、フェイスブックなどに公開しますので、よろしければ、参加してください」
二人は笑っている。
カメラマンが二人を撮影する。
「ーー笑って笑って」
二人とも、これまでで一番の最高の笑顔だ。
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