制限時間終了

ピピーー。


長沢洋子が不機嫌そうな顔で、笛を鳴らした。


「制限時間終了です。残念ながらお二人は私の意向に添ってくれなかったようですね。。とても残念です」


ふぅ。


軽く息をついて言った。


「しかし、村上さんは勇気を持って、川中さんを撃ちました。なので、この勝負は村上さんの勝利とします」


長沢洋子はそう判定した。


「ーー救急車、救急車はまだか?」


「もう着くそうです」

スタッフが答える。


それが視聴者も度肝を抜いた瞬間だった。


長沢洋子はファイルの上で、婚姻届けにサインをする。

そして印鑑を押す。


「村上亮さん、おめでとうございます。あなたの未来は今決まりました。ここからはあなたの選択です」



村上亮さん、あなたは今私との結婚という権利を得ました。

ここからはあなたの選択です。


あなたの選ぶべき道は、二つに一つとなります。


「私との結婚」もしくは「独身を貫く」。


村上さんに問います。


「あなたはどちらを選びますか?」


「......」


しばらくの沈黙。


「お...俺は......」


「はい。どうしますか?」


テレビカメラが迷っている村上亮の姿をズームアップで写している。


「俺はあなたとの結婚を選びます。どうか俺と結婚して下さい」


「ステキな選択をしましたね。これからもよろしくお願いします。これから二人で市役所に行きましょう!」


長沢洋子は明るく笑って、村上亮の腕に腕を絡め、テレビカメラを向くと、二人で笑った。


「ーーそんな訳で二人が結婚する事になりました。結婚式の日取りなどが決まったら、フェイスブックなどに公開しますので、よろしければ、参加してください」


二人は笑っている。


カメラマンが二人を撮影する。


「ーー笑って笑って」


二人とも、これまでで一番の最高の笑顔だ。




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