最終ステージ

3月16日。

清々しい程の青空だった。

雲一つない程の空は心まで洗われていくような気分になる。


ついに最終ステージが始まろうとしている。

ーー人生初のその瞬間が見れる。


洋子は朝からワクワクしていた。


間もなく時刻は11時45分になる。

気分を新たに村上と川中が到着した。


「ーー絶対に負けない」


「俺だって」


そんな言い合いをしているところからすると、やる気は充分ありそうだ。


ーー彼らはどちらを選ぶのだろうか?

ーー洋子の中では、それだけが興味の対象だった。


長沢洋子はニヤリと笑う。


「ーーそれでは最終ステージの説明を始めます」



説明


「それでは説明します。今度のステージは命をかけた戦いになります」


洋子は悪意に満ちた顔をしている。


ーー命をかけたタタカイ?


「村上亮さんと川中康司さんーー二人で殺し合って頂きます。どちらかが勝てば、私はすぐにでも婚姻届を書き渡します。勝負を始める前に、お二人に渡しておきます。コレをーー」


拳銃である。

黒々と光っていて、重そうな拳銃ーー。


テレビ関係者も騒ぎ始めている。


ーー公開殺人だ。

ーーこんなものは放送できない。


反対意見が飛び交う。

しかし、視聴率は好調だった。


「いい!全責任は俺が取るーー撮れ!!」


責任者が言った。

これから公開殺人が行われる。


二人の手元に、生まれて初めて手にする拳銃が届いた。


ーーやるしかないのか??

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