最終ステージ
3月16日。
清々しい程の青空だった。
雲一つない程の空は心まで洗われていくような気分になる。
ついに最終ステージが始まろうとしている。
ーー人生初のその瞬間が見れる。
洋子は朝からワクワクしていた。
間もなく時刻は11時45分になる。
気分を新たに村上と川中が到着した。
「ーー絶対に負けない」
「俺だって」
そんな言い合いをしているところからすると、やる気は充分ありそうだ。
ーー彼らはどちらを選ぶのだろうか?
ーー洋子の中では、それだけが興味の対象だった。
長沢洋子はニヤリと笑う。
「ーーそれでは最終ステージの説明を始めます」
※
説明
「それでは説明します。今度のステージは命をかけた戦いになります」
洋子は悪意に満ちた顔をしている。
ーー命をかけたタタカイ?
「村上亮さんと川中康司さんーー二人で殺し合って頂きます。どちらかが勝てば、私はすぐにでも婚姻届を書き渡します。勝負を始める前に、お二人に渡しておきます。コレをーー」
拳銃である。
黒々と光っていて、重そうな拳銃ーー。
テレビ関係者も騒ぎ始めている。
ーー公開殺人だ。
ーーこんなものは放送できない。
反対意見が飛び交う。
しかし、視聴率は好調だった。
「いい!全責任は俺が取るーー撮れ!!」
責任者が言った。
これから公開殺人が行われる。
二人の手元に、生まれて初めて手にする拳銃が届いた。
ーーやるしかないのか??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます