高坂享

無言で山盛りに盛ったお皿のオカズを食べていると、取材陣の一人が来た。


高坂享こうさかすすむさん!この勝負の意気込みは??」

 

「俺は絶対に負けません」


高坂は断言した。

三人のうち、一人だけが振り落とされるんだ。

三分の二の確率だ。しかし、俺は負けないーーなぜならば、俺は強運だ。負ける訳がない。。


「ちなみに高坂さん、現在の体重は?」


「今50キロです」


村上亮が二皿目を山盛りにして、自らの席に戻ろうとした。

そんなタイミングで、高坂が一皿目を間食して、お代わりを取りに席を立つ。


高坂は五分程度、村上に出遅れてしまった事になる。

ーー要は、お皿の数が多ければいいのだ。


先程と同じく色々なオカズと白米を、てんこ盛りにして高坂は自らの席に戻っていく。


そうこうしているうちに、川中康司かわなかこうじに、取材陣が話しかける。


川中康司かわなかこうじさん、この勝負に対する意気込みはどうですか?」


「負けたくないですが、、みなさんよりだいぶ出遅れてしまっているのでーー」


幼い子供みたいに、無邪気に笑っている。


「勝ちたいので、少し急いで食べます!」


「康司さん、ところで現在の体重は?」


「今56キロです」


テレビカメラは少し離れたところから、残った三人を写し出している。

その見事なまでの食べっぷりをーー。


まさに今、この瞬間ーーこの勝負はテレビ中継されているのだ。


高坂が二皿目のオカズをお皿に取り分け、食べ始めた丁度その時。

ようやく川中康司が、一皿目を食べ終わりお代わりに向かった。

そして、村上は三皿目のオカズとご飯のお代わりに向かう。

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