第15話 鈴森寛人vs鬼6

ーーあれは、、走っているんだろうか?


鈴森寛人すずもりひろとは、必死な顔つきでチョコチョコと逃げているのだろうか?

しかし遅い。

歩いているのか、わからないくらい遅い。


彼はどうやら、スポーツはまるでダメなタイプらしい。


見ての通りだ。


本当に遅い。


鬼6も早足で追いかけている。だが、もう時間の問題だろう。


ここまで足の遅い人を、見たことがない。


それくらい遅かった。


ーー彼はあれで本当に走っているのか??


鬼6も早足で彼の事を追いかけている。

鬼の早足よりも遅いのに走ってるって、、?いまいち信じられなかった。


鬼6が簡単に鈴森寛人すずもりひろとを捕まえた。


はぁはぁはぁ。


息は切れている。

やはり、あれで走っていたらしい。


「ーーお前、、足遅っ!」


鬼6が皮肉を込めて言う。


「だって、昔から体育だけは嫌いだったんだ」


「それにしたって、お前、、」


鬼6も呆れ返っている。

アナウンスが流れる。


鈴森寛人すずもりひろとさん、鬼6と公園の外に出てください」


鈴森寛人すずもりひろと

本人だけは息を切らしているが、鬼6はまったく普通に歩いていた。

呼吸が乱れる事もなく。

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