第14話 前田博司、捕獲

公園の中にまたしても、アナウンスが流れた。


「鬼ごっこ開始から、15分が経ちました。前田博司まえだひろしさん、鬼5に捕まったので、公園から外に急いで出てください」


ーーはぁはぁはぁ。


息が荒れている。


ーーはぁはぁはぁ。


鬼5もすごく息が荒れている。


「よく逃げ続けたな。。こんなに疲れたの久しぶりだ」


声も枯れがれに鬼5が言った。


「彼女、なかなか面白い発想してますよね?こんなゲームで人生決めちゃうんだから」


「確かにな、、普通、こんなので結婚相手なんて見つけないだろう」


「あり得ないですよ!こんなのーーでも、やっぱ彼女と結婚したかったな、、」


無意識のうちに、前田はそうぼやいていた。


「ーー楽しかったからいっか」


まだ息が荒れているが、鬼5と仲良く話しながら、前田は公園の外に出る。


「ーーこの勝負の行方を見ててもいいんですよね?」


「あぁ、問題ないーー終わるまで見ていけばいい」


「ありがとうございます」


前田は公園の外から、公園内を見つめていた。彼女と結婚する最高の運を持っているヤツを見る為に。。


現在捕まったのは四人。

終われているのが六人。そして鬼も六人。


この先の展開は誰もわからない。

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