第11話 鬼4vs高坂享

鬼4のターゲットが決まった。

強面な顔をしている高坂享こうさかすすむだ。


顔の怖さだけなら、高坂享こうさかすすむにもヒケをとらないだろう。


高坂享こうさかすすむは真面目に逃げ回っていた。

鬼4も隙を見つけようと忍び寄る。

だが、彼はそれを察して、ダッシュで逃げる。


はぁはぁはぁ。


だんだんと呼吸が荒くなる。

しかし、止まるわけにはいかない。


振り返る余裕もないほど、久しぶりの鬼ごっこは楽しい。楽しくて楽しくて、捕まりたくない。


ーー絶対、俺は捕まらない。


まるで子供のように、鬼ごっこを楽しんでいた。

鬼4が、高坂享に手を延ばしたちょうどその時ーー。


笛の音が鳴り響いた。

長沢洋子の声でのアナウンスが流れる。


「鬼ごっこは一時中断ーー。休憩に入ります」


そして、休憩に入った。

俺は呼吸を整えながら、まるで子供のようにワクワクした楽しい思いで一杯だった。


その頃、長沢洋子はテレビカメラに囲まれ、取材を申し込まれていた。


ーー休憩の間、あなたの取材をさせて下さい。


「いいですよ!」


取材に洋子は笑顔で答えている。

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