竜と共に ”大災害にあった日本、竜と共存し生きていきます”
けいやま
第1話
彼らは地球誕生の時から存在していた、地球の荒れ狂うマグマを沈め、オゾン層を構築し、地球に降りかかる様々な災害を防いでいた。
この数ある星の中で、太陽系の中でなぜここまで地球が発展したか、それは偶然の産物か、神の意志かはわからないが地球とともに彼らが誕生したからだ。それから何年だろう、彼らは力を封印した。様々な生き物が安定し、彼らは仕事を終えたのだ。
そしてそのまま彼らは地球のコアで過ごしていた。数千年、数万年、数億年、かれらは地底で過ごしていた。
だが、ふたたび地球に災いが起きようとしていた。久しぶりの仕事だと、彼らは地表に現れようとした。だが、それはかなわなかった。
これはたった1000年前の話だ。
2120年7月
日本を南海トラフ地震をも超える南海トラフ超巨大地震が発生した。
いや僕は夢を見ているんだろう、そうに違いない。僕は目の前の光景をそう思うしか特に思いつかなかった。
いつもどうりの海沿いの学校の帰り道を僕は歩いていただけだ。
なんでこうなった、、、理由が出てくるわけもない。
地震が起きた。震度は優に10を超え、歴史上間違いなく一番大きな地震、ゆれは僕の体を吹き飛ばした。建物は全壊、あちこちで火の手が上がる。
僕は砂浜に放り出され、ただただまるでフードプロセッサーの中にいるかのように投げ飛ばされ続ける。
どれだけ時間がたったかわからない、何時間にも感じたし、5分と言われれば5分のような気もする。
揺れが小さくなった。僕は全身打ち身で全身青あざだらけ、腕にいたっては骨折していると思う。
とにかく、周りを見なければと、ゆっくり立ち上がると住宅街は地獄絵図だった。
がれきの山がただただ続いていた、助けを求める声、子供の泣き声、ガラガラと小さい余震でなおも崩れ続ける建物。
日常などもうどこにも存在していなかった。
あぁ、なんだこれは。
もう、いやだ。家に帰らせてくれ。だがそれでも僕はあることに気づいてしまった。
いや気づけたというべきだな。あることが脳裏に浮かんだ。ふと後ろを振り向いた。
いやな予感がしたんだ。
それは現実となった。
後ろにあった海が消えていた。
どこまでも海が消えていく、いくら遠くを見ても海だと認識できなかった、カニや魚たちが何だこれはと跳ね回っている。あぁ、もうどうしようもない。
終わりだ、はるかかなたの地平線で50メートルを超える、大きな大きな人間たちへの、罪の壁、裁きの壁、そう思いたくなるほどの絶望が、いや水の、この街を、県を、国を洗い流し破壊する死の壁が押し寄せてきていた。
みんながみんな絶望し、立ち尽くしている。
もう、あんなものどこに行っても生きるすべはない、そうあきらめてただ海を眺めている、そんな時だった。
頭上の灰色の空から何百メートルあるかもわからない物体がとんでもないスピード頭上に現れた、いやあれはまさしくネットやカードゲーム、おもちゃなどでよく見る伝説の生命体、
竜だった。
竜は僕の目の前にとんでもない衝撃音とともに着陸し、津波と向かい合った。もう僕は何をするのが正解なんだ、ただ目の前の摩訶不思議な光景を見ているしかない。
その時だった、竜が口を開き、何かをしている。よく見ると謎の文字列のようなものが口周りに発生していた。
”それ”は黄色く光りだし、だんだんと大きくなっていった。見たことのない文字が次々と現れていき、羅列を作り、リズムをとるように回り続けている、それはまるで、
「魔法陣?」
そうつぶやいた。もう次から次へと日常から真反対なことの連続で頭が追い付かない。なんだこれは。
そしてもう津波と僕の距離が300mを切ったであろう時、たぶん人類初観測であろう竜の人知を超えた何かが発動した。
”キィィィィィィィィィ”
聞いたことがない種類の音、耳をつんざくような龍の雄たけびとともに津波に向かって金色のレーザーのようなものが発射された。
ブレスだ。
それは津波に直撃すると左右の地平線まで広がる金色のオーロラのような壁が展開され、津波を受け止めた。
波が、都心に並んでいるビルよりも高い波が謎の障壁によって受けられている。僕は異世界転生でもしたのだろうか。
とんでもない衝撃音とともに金の障壁が津波を受け止めている、そして50メートルはあったであろう波が、ゆっくり、ゆっくりと落ち着いてきたように見えた時、障壁にひびが入り、消滅した。
波がこちらへ迫ってくるが、それはもう津波とは言えない、竜のとてつもなく大きい体で受け止められ、僕には届かなかった。僕の周りにはきらきらと金に炉のチリのようなものが降り始め、次の瞬間、
竜の大きな体が消滅した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当時の新聞にはこう記されている。
” これは竜が初めて人類に、日本に接触した瞬間であり、日本と竜の交流が始まった瞬間である。そして地震による行方不明者は何万人にも上ったが、津波による被害は漁へ出ていた数百人にとどまった。
編集
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます