【episode7-新たな命】
文化祭の一件以来、
その後も彼の連絡が止む事はなかったからである。
『俺はお前と付き合えないけど他の男と付き合って欲しくない。』
これが彼の本音である。
だが、年頃である。素敵な恋をしたい。
沙楽は、揺れる心を抑えつつ新たな恋に向き合っていた。
そんな中、文化祭以来、頻繁にあった魁人からの連絡が、ある時期から突然止んだ。
彼は、結婚し若き父親になっていたのである。
そんな身勝手ともいえる彼の行動を悪く言う友人がいないわけではなかった。
だが、たくさんの辛い思いを抱えても、沙楽は魁人のことを悪く言えずにいたのである。
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