第39話 提出
美奈はヤッパリ寂しかったが
もう、色々考えなくていい
安堵感もあった。
離婚届けは平らに伸ばしたら
綺麗な一枚になった。
ハンカチ乗せてアイロンで
シワ伸ばし
母親はよく冠婚葬祭に入れる
お札は
こうして綺麗にシワを伸ばし
ピン札みたいにしてたっけ。
シャーナイ!!
元のアルバイトと学校で頑張るさ。
一朗太のアドレスも電話番号も
拒否した。
これでいい。
バツイチ、なんて
勲章のようなもんだ。
学校がおわりマンションに帰ると
一朗太の藍色の車があった
一朗太も美奈を見つけるとドアを
あけ、駆け寄って来た。
「美奈待ってて、
って言ったろう!」
「はい?‥なにを待てと?
帰ってこない夫を?
嫁そっちのけで女とデート
してる夫を?
100人に聞いてみてよ。
そしたら先生の答出ますよ。」
「もう、俺達終わりなのか?」
美奈を真っ直ぐ見据えて一郎太
は聞いてくる、顔が強ばって
優しい雰囲気は微塵も感じ無い。
そんな雰囲気に惑わされる事
なく美奈も真っ直ぐ一郎太を見て
答えた。
「はい!! 終わったよ。
何度もあの女と合わないで
分かれてよって、
頼みましたね。
でも出来ないんでしょ。
お疲れちゃん。
だったら私が離れるしか
ないでしょうが。」
「僕が愛してるのは美奈だ!
恵じゃない!!。」
キャハハハハハ
アーッハハハハハ
ハイハイ
「嘘バッカリ!!
そんなの、誰が信じるけぇ?
それか、気付いて無いんだ?。
恵さんの言う事はいっも
アナタは、優先してるよ。
あなたが愛しているのは恵さ
んです……。」
じゃあこれで、と他人行儀な挨拶を
して立ち去ろうとしたら抱き
締められた。
「俺から離れたら許さない。
あんな女と美奈は比べたことが
ない。
愛してる。
やっと妻にしたのに‥。」
「かんけい‥Дな一い
ってぇばぁ。」
ボーン
力いっぱい突き放しても
人が変わったような一朗太は、
力を緩めてくれない。
「何でだ!
愛してるって何度も
言ったよな!」
クッククク
「小娘と思って、遊んでんの?
バカにしてる?
信じられない!
嫁を置き去りに出来る男なんて
女とデートする夫なんて、
普通い・な・い・よ。
嫁って家族だよー。
普通、置き去りは無いよ。」
「美奈!美奈!ゴメン!恵とは
もう仕事はしない。
今更カヨー。
新しく助手募集する。
だからだから、離れないでくれ。
車も買い換える。
助手席は、美奈しか載せない
約束する。
でないと狂いそうだ。」
「またまたぁ
騙されないから、
あんなに恵さんに
ぞっこんなくせに!!
誕生日だってビト〇のバック
あげてて
私には‥
何も無い‥みじめ、だょ。」
一朗太は、ポケットから指輪を
出した。
「あー、要らない要らない!
勘違いしないで
ね。催促何かして無いから〜
どーせ、恵さんへのプレゼント
の残り じゃないの?」
一郎太はビシッと指を掴んで
離さない。
「な、何すんのよ
やめろよー
要らないってバー💢」
嫌がる美奈の指に無理矢理
美奈の薬指を掴みはめ込んだ。
指輪はピッタリと美奈の指に
収まりキラキラと光っていた。
指のサイズがピッタリだった
から美奈の為に用意された事
は理解出来る。
「い、いいよ、こんな高いもの
返して来て、私には似合わない。
高そうじゃん。」
そしてネックレスを手渡し
「遅れたけど、誕生日おめでとう。」
そして自分の左手のお揃いの
薬指を見せて
「僕が選んだんだ。
君の為に。」
美奈は、
「遅いよ。離婚届出したし
もう遅い。」
グスッ
「また出せばいい。
遅いなんて言うな。」
美奈は頑固だ。
「本当に恵さんとキレたなら考え
直します。
だけど嘘なら本当に
終わりだからね。
リサイクルに回すからね。」
一朗太は、嫌がる美奈を車に乗せて
近くの車屋さんに行った。
「いいってばぁ。
まだまだ乗れるじゃん。」
「じゃあ美奈!助手席に乗れる?」
「それは‥ヤダ!!
私は乗れないけど一朗太は、
乗ればいいでしょう。
私の事なんてどうでもいいじゃ
ん‥!!
ワタシには自転車あるし
車要らんし!」
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