第27話 想い



美奈だけだ。

その言葉を信用できる?

じゃあ見合いも断ってくれる?


そう詰め寄りたい。

一郎太の背中を爪を立てて首から

ケツまで三本線をビーっと背骨に

添ってたてた。

ギャーギャー悲鳴が飛んでいたが


「し~らないっ…と。

ザマーヾ(≧∇≦)ウッヒ~!」



誰にも優しい。

一番罪がデカイ。

そんな事も知らない一郎太!!

長いミミズばれを背負い

反省しろや!!




その夜離婚届とニラメッコ

今日から一週間、


一郎太は大阪の学会

へと旅立った。


偉大な旦那、

今日は何処の女とニャンニャン?


多分実家に帰るであろうし、

お見合い?もするのかな、

だとしたら早く出さなきゃ。

明日朝一番に出しに行かなきゃ。


そんな事考えるとラインが来た。


「ミナなにしてる?」


   「TV見てるよ。」


「ふう~ん。

いいなあー俺も美奈と

ノンビリしたいよ。」


美奈には嘘っパチにしか聞こえ

無い。


「なあに?どうしたの?

ってかあ

お見合いしてくるの?」



「え、あ、なんで知ってるの?

話たっけ?

えっと、多分そうなるかも。

急でサ

親父の知り合いだから

顔を立てるだけサ

美奈が気にする事じゃないから。」



 「は?

気にするよ普通!!、

一郎太嘘つくんだ

親は結婚しろって言わない

ってたよね。」

ブチツ。

あんまり聞きたい話じゃない!!




やはり私達は終わるべきだ。

キッ、ときつい目を瞬かせ

離婚届を握りしめ意を決する!

ああ、決心出来て良かったワ。

こんな事もなければウダウダ

してるハズだ。


今度は電話がたて続けに

鳴り止まない。


「何ですかぁ?忙しいんですけど…」


「美奈、見合いは親の顔をたてて

 するだけだよ。」



「う~ ん、わかった!!ハイハイ

  でも、もう掛けて

来ないで!!。」





「だから…顔を立てる

 だけだって、美奈が心配する

 理由なんて無いって。」

はぁー心配しかないじゃん

何言ってる?大学の先生なのに

誰でも分かる事がわからんのか?

脳ミソの作りが違うのか?


  「一郎太には無くても

   私にはあるのよ。」


「親孝行だって!!。」


「分かってるってぇー

どーぞ気の済むまで

やれば、親孝行!!

  私達は

  もうおしまい…だから!!」



「だから、わかってくれ。

 って!」

はぁーどう分かれっていうの?

一郎太は婚姻届の事

何にも知らない。

余計イライラして八つ当たり。


   「わかってるよ…!!

    だから終わりだってば!」


「意味わからないんだけど。」



    「終わり

     別れる

     さいなら。以上!」


「は…?」


  「お見合い何時から。」


「会終わってから。

五時ぐらい。」


   「お幸せにィー。」


「別れないから。」

一朗太は念を押すように美奈に

言った。


   「お幸せに。」

    冷たくこたえる。


何度か同じやりとりをしたが、

眠ってしまった。

疲れって素晴らしい。

途中何度か目がさめたがボーッと

していて動けない。


何とか、電気消さないと…

と思うだけで体は動かない。


暫くしてまた目が覚めた。

鈍い体をゆっくり起こす、時間は

AM2:00


「はぁー

早く寝たから目が覚めた。」


冷蔵庫から炭酸を出して

大福をパクリ

モグモグふぅーウマ!

夜中大福最高‼️

大福を包んでいるフィルムの

カサコソカサコソ

の音が響く!



モグモグモグモグゴクッ

ンー大福にはお茶、緑茶だな

美奈は緑茶を取り出しポットの

お湯をいれる🍵

二、三個パクパクゴクゴク

ヤッパ、コレコレ幸せ!

そうだ、私は小さな幸せで生きて

きたんだったよ。


熱いお茶で段々としっかり

目が覚めてきた。



明日いや、今日17:00に見合いなら

ギリギリ16:00までは夫婦でいよう。


少しだけの時間でも、夫婦になれた

のだからそれだけで大丈夫。


涙がポロポロ、ポロポロ流れてきた。

先生の事を思い出して泣けた。



「いつの間にか大好きになってて

 夢みてたかなぁ。」


早くいっちょ前の大人になって

酒でも飲めたら楽何だろうな~

自棄酒で潰れられる。

苦しさも一時的に

忘れれる。

先生と結婚したかったな。


結婚したけど一人結婚、

先生は知らない。

離婚届出して謝らないと、

最悪訴えられたらヤバ、

しかし裁判所の言うと

おりに罰を受けよう。



先生の戸籍を汚したのだから。

一生かかっても慰謝料は払おう

ましてやその期間は先生とは、

多少でも繋がれる。


美奈はそう決心すると肩の荷が

下りた気がした。


ホッ、としたらまた

眠気が襲ってきた。

ベッドに入ると、

まだ先生の匂いがした。


また涙がポロポロポロポロ

美奈は何時の間にか

泣き虫になっていた。








        


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