あとがき



これは私が成し得なかったもうひとつの物語。

楽しんでいただけたのなら幸いです。



■各話紹介


第1話

「当店のシグネチャはこちらでございます」的にこれからの物語の本質を読み手に味わっていただくようなお話。もうちょっとやりようはあったけど、これぐらいに。


第2話

こういう男の人、いるんだよね…。好き嫌いに理屈をつける人。そう思いながら書いたり。


第3話

こういう女の人、いるんだよね…。でも女らしい女ぽくて好きだな。そう思いながら書いたり。


第4話

女子同士の会話って、たまにぞっとするときがあって。


第5話

まっすぐな娘って、まっすぐすぎて、そうじゃない人に突き刺さる事故がよく起きる。


第6話

対決を鮮明に。高嶺の花の女子である烏丸先輩だからこそ言える宣戦布告。


第7話

メグミの下品さは、モデルがいる。友よ、頼むから人前ではやめてくれ。歳取ったら丸くなったけど。


第8話

襲われ回。兎賀の「色気が多分にありすぎて周囲が狂うキャラ」というのを際立たせたかった。


第9回

アウトレイジかよっ、でも女子高生同士なんだよっ。


第10回

純情恋話に見せかけた設定ばらし回。男たちの挽歌ぽい、こういうシーンはとても好物。


第11回

会話がオタ過ぎて話に入れない経験ってあります? みたいな。ちょっと寂しいよね、あれ。筒井先生大好き。愛してる。


第12回

喧嘩した夜の後、仲直りの朝ご飯はとてもよいもの。


第13回

中間折り返し山場回。ハルカは一歩踏み出すんだけど、好きな人のためにそうするとみんな狂うという、その宿業とは?みたいな。

恋愛話なのに歯噛みをして血を唇から一筋たらす漢な展開。結構好き。

マズジュー評論家としては、紙パックの新作というのは大いにそそられるものが多くて。


第14回

男の娘の女性化って、ひとりじゃできないもんなんすよー(遠い目)。みんな誰かが手助けしてるね、みたいな。


第15回

いわゆる略奪愛状態になったとき、なぜか相手の彼女と仲良くなる。不思議なことに。こじれるけど。


第16回

匂わせ告白って大好き。言われたほうがうっかり気がついてしまうとこもすごく好き。


第17回

失恋回。こういう人って、なんで走り出すんだろうね。わからん。


第18回

男の娘×腐女子の、気づいてしまったゆえにせつなくなる回。一番書きたかった話。奥多摩いいとこぜひ行って。


第19回

匂わせ会話だけで一話できんもんかな、と思って作った回。こういう会話の掛け合いは好き。気持ちがつながらないキャラ同士ならとくに。チャーシューは焼き豚派。


第20回

私が思う百合を詰めた話。親友同士からはそうなることは多くて、どうにもならなくて泣くしかない、というのは結構現実で見てた。言えないけど気づいてほしくてみんな匂わせるんだよ。わかっちゃっても言い訳できるようにしてるんだ、これが。芝原は突っ切っちゃったけど。二番目に書きたかった話。


第21回

たぶん何かが憑依して書いたんだと思う。両方勝ちはアニメの無責任艦長タイラーから。


第22回

いちばん最後のシチュはたぶんウテナだな…。


第23回

何度かボツにして結果的にウィリアムギブスンの『ニューローズホテル』の文章構成を借りてきた話。心情の語りだと、こうするのがいまの私の精一杯。


第24回

クリスマスの群像劇って、とてもいいもんだと思うんですよ。疾走感を感じてもらえたら。人の波に逆らって走るのは、アキトがハルカと付き合うとしたらこれから襲われる困難さの象徴。


第25回

朝なのにご近所迷惑だろ…と思いつつ。みんなお疲れ様でした。


エピローグ

この人たち、結果的にこうなっちゃうよね…みたいな。だいたい各話に埋めておいたものを回収できたはず。



■登場人物


兎賀ハルカ

最初の起点。男の娘キャラの「かわいそう」「いたずらっこ」「とまどってるいい子」みたいな定型から脱却したものを作りたくて、内面ドロドロな、女性しか演じてこなかったような妖艶キャラというのを思いついて、そこから。でも、当初よりだいぶいい子になった気がする。外見イメージは実際に新宿2丁目で見た人。人なんだけど人として認識できなかった。ご家庭クラッシャーはそこらにわりといるので気をつけて。


星野ミヤコ

ハルカと対比させるキャラ、というとこで「家庭や生活を守る」イメージに。ちょっと人としてスーパー過ぎたけど、一番の被害者になったのは変わらず。


烏丸スバル

ハルカと対決するキャラ、というとこで「世間からよしとされているキャラ」「考えはいまとしては古くなってる」というイメージ。いつだってハルカみたいなのは、敵が世間なので、その象徴。途中でいい奴になっちゃったので、最後は悪役としては全うしてもらうことに。


南里アキト

理屈をつけて恋愛から遠ざかる男性を実体験として何人か見てきたので、そのあたりから。はたから見たら「ええかっこしい」みたいな人はちょっと多いね。でも、そういう人って寂しがり屋なんだよ。


春川メグミ

当初この4人しかでない中編的話だったのを、間が持たないので以降のキャラを追加。

ハルカに支援者がいるな、というわけで、過去の経験上で腐女子として登場。友人たちの要素をツギハギ。メガネかけて汚い言葉を吐く女オタクは、たぶん私の性癖であり日常。ほどよく転がってくれました。


芝原チカ

ハルカに支援者がいるならミヤコにも、ということで親友キャラとして。ノッポの姉ちゃんな親友は、たぶんイメージとしてYAWARA!の富士子とかそのあたり。恋愛について厭世的になっているキャラは身近に実物としていたので、そこから。


甘楽ジュン

このままだとこってりとした話になるので、もうちょっと青春ぽい爽やかなキャラで胃もたれをなくそうと思って用意したキャラ。

いわゆる青春物によくあるまっすぐなキャラなんだけど、こういう人は無邪気にまっすぐじゃない人へ致死量の何かを与えるよな、と思ってしまい、結果的に胃もたれは変わらなかった気がする。

姓は甘ちゃんで楽しそうな奴、ってところで作ったけれど、実在していて驚いた。



■最後に


反響次第で今後の展開を考えていきたいと思いますので、ご意見ご要望ご感想をぜひお聞かせください。

心からお待ちしています。よろしくお願いします。

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