第37話 【番外編・其の九】 ~料理は愛情~
僕はホテル館内の宴会場でウェイターのアルバイトをしている。
お客様方が当ホテルのホール施設を、会議、セミナー、各種イベント等で利用された後は、立食パーティーやお食事会と言う流れになるのが大半である。ここで僕達の出番となる訳だ。
さて、僕達がまず出勤して最初にやる仕事が、その日に出されるお料理の食材名を覚える事である。お料理のメニューは日毎に変わるので、その都度暗記する必要がある形だ。
因みに食材の一覧表用紙は、厨房入り口の片隅に張り付けてある。
なあに、何の事は無い。「お料理の素材は何であるのか」と、お客様から可成りの高確率で聞かれるので、「従業員たるもの食品材料位は存じておけよ」との、上からのお達しってだけなのだ。
とは言うものの、僕は物覚えが悪いので、実は記憶しているのはメインディッシュのみだったりする(笑)。
例えば、昨日は魚料理が主菜だったのであるが、「メイン料理・ムニエル、食材・鮭」と、こげな具合である。
まあ、こんなのでも何とかなっているので、きっと全然ノープロブレムなのでしょうな(爆)。
さあ、今日も張り切って、お仕事に励むと致しましょうかいね。
ふむ、本日は肉料理か。「メイン料理・フィレステーキ、食材・人間」っと。……うん?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます