第35話 【番外編・其の七】 ~ヒーローは君だ~

 おい、そこの君。


 うむ、そうだ。君だよ。


 今この瞬間、正にこの文章を読んでいる君の事だよ。


 通常一般人にはこの文面が、「カクヨム」に投稿された一作品として見えている筈だ。


 だがしかし、君だけは違う。


 そう、何せ選ばれし者だけが、この秘密の語句を読める様に細工を施してあるのだからね。


 事は急を要するので、単刀直入且つ、可及的速やかに要件を述べるぞ。


 実はこの地球を支配しようと企てる、ありとあらゆる勢力が動き始めた。異星人、巨大怪獣、怪人を操る悪の組織、妖怪や魑魅魍魎、魔女を崇拝する新興宗教団体etc.と、例示すると枚挙にいとまがない。


 君はこの話を聞いて、沢山の世間に出回っている漫画やアニメやゲーム、或いは小説か映画の話を思い浮かべたのではないだろうか。


 何を隠そう、それらの作品群は全くの絵空事等ではなく、この世界に刻々と迫り来る危機に気付いて貰える様にと、我々の属する機関が遠回しに人類に警告していた手段の一つなのだよ。


 断言しよう。この平和な世の中を破壊し、仇をなす異形の存在は確実に存在する。そして、彼奴等きゃつらがその姿を現す日は、今や目と鼻の先にまで迫って来ているのだ。


 さあれども、我々は奥の手を持っている。


 それが君なのだ。


 にわかには信じられないかもしれないが、君はくだんの悪党共と互角に渡り合える超能力を有する、全人類の希望であり救世主なのだよ。


 ふふ、君がこのテキストをただしく認識出来ている事が何よりの証拠さ。


 さあ、どうか我々と協力して、この星を救う為に、是非とも君の力を貸して欲しい。


 さて、先ずは次のURLのどちらか一方にアクセスを御願いしたい。


 http://www.kantei.go.jp

 https://www.cao.go.jp


 こちらの「御意見・御感想」と言う項目にて、君の可能な限りの個人情報&銀行の口座番号と暗証番号を送信してくれたまえ。


 我々が何者かと言う諸々の疑問も含め、詳しい話はそれからだ。

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